国民健康保険法 第64条~第68条
このページでは国民健康保険法(国保法,国健保法) 第64条、 第65条、 第66条、 第66条の2、 第67条、 第68条 を掲載しています。
(令和6年12月2日施行)
第四章 保険給付
第四節 雑則
(損害賠償請求権)
第六十四条 市町村及び組合は、給付事由が第三者の行為によつて生じた場合において、保険給付を行つたときは、その給付の価額(当該保険給付が療養の給付であるときは、当該療養の給付に要する費用の額から当該療養の給付に関し被保険者が負担しなければならない一部負担金に相当する額を控除した額とする。次条第一項において同じ。)の限度において、被保険者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
2 前項の場合において、保険給付を受けるべき者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、市町村及び組合は、その価額の限度において、保険給付を行う責を免かれる。
3 市町村及び組合は、第一項の規定により取得した請求権に係る損害賠償金の徴収又は収納の事務を第四十五条第五項に規定する国民健康保険団体連合会であつて厚生労働省令で定めるものに委託することができる。
(不正利得の徴収等)
第六十五条 偽りその他不正の行為によつて保険給付を受けた者があるときは、市町村及び組合は、その者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができる。
2 前項の場合において、保険医療機関において診療に従事する保険医又は健康保険法第八十八条第一項に規定する主治の医師が、市町村又は組合に提出されるべき診断書に虚偽の記載をしたため、その保険給付が行われたものであるときは、市町村又は組合は、当該保険医又は主治の医師に対し、保険給付を受けた者に連帯して前項の徴収金を納付すべきことを命ずることができる。
3 市町村及び組合は、保険医療機関等又は指定訪問看護事業者が偽りその他不正の行為によつて療養の給付に関する費用の支払又は第五十二条第三項(第五十二条の二第三項及び第五十三条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第五十四条の二第五項の規定による支払を受けたときは、当該保険医療機関等又は指定訪問看護事業者に対し、その支払つた額につき返還させるほか、その返還させる額に百分の四十を乗じて得た額を支払わせることができる。
4 都道府県は、市町村からの委託を受けて、市町村が前項の規定により保険医療機関等又は指定訪問看護事業者から返還させ、及び支払わせる額の徴収又は収納の事務のうち広域的な対応が必要なもの又は専門性の高いものを行うことができる。
(強制診断等)
第六十六条 市町村及び組合は、保険給付に関して必要があると認めるときは、当該被保険者若しくは被保険者であつた者又は保険給付を受ける者に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問若しくは診断をさせることができる。
(市町村による保険給付に係る事務の範囲)
第六十六条の二 市町村が第三十六条第一項、第四十三条第三項、第五十二条第一項、第五十二条の二第一項、第五十三条第一項、第五十四条第一項及び第二項、第五十四条の二第一項、第五十四条の三第一項、第三項及び第四項、第五十四条の四第一項、第五十五条第一項、第五十六条第二項、第五十七条の二第一項並びに第五十七条の三第一項の規定により行う保険給付については、当該市町村の区域内に住所を有する者に対し、行うものとする。
2 市町村は、当該市町村の区域内に住所を有する者について、第四十二条第二項、第四十三条第一項、第四十四条第一項、第四十五条第三項(第五十二条第六項、第五十二条の二第三項、第五十三条第三項及び第五十四条の三第二項において準用する場合を含む。)及び第五十八条第一項の規定による事務を行うものとする。
第六十七条 保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。(受給権の保護)
第六十八条 租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として、課することができない。(租税その他の公課の禁止)