労働保険審査官及び労働保険審査会法 第7条~第24条

【労審法】
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このページでは労働保険審査官及び労働保険審査会法(労審法) 第7条第7条の2第8条第9条第9条の2第10条第11条第12条第13条第13条の2第13条の3第14条第14条の2第14条の3第15条第16条第16条の2第16条の3第17条第17条の2第18条第19条第20条第21条第21条の2第22条第22条の2第23条第24条 を掲載しています。

(令和6年4月1日施行)

第一章 労働保険審査官
第二節 審査請求等の手続

(管轄審査官)

第七条 労働者災害補償保険法第三十八条第一項の規定による審査請求及び雇用保険法第六十九条第一項の規定による審査請求は、原処分をした行政庁の所在地を管轄する都道府県労働局に置かれた審査官に対してするものとする。

 審査官は、次に掲げる者以外の者でなければならない。

 審査請求に係る処分に関与した者又は審査請求に係る不作為に係る処分に関与し、若しくは関与することとなる者

 審査請求人

 審査請求人の配偶者、四親等内の親族又は同居の親族

 審査請求人の代理人

 前二号に掲げる者であつた者

 審査請求人の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人

 利害関係者(第十三条第一項に規定する利害関係者をいう。)

(標準審理期間)

第七条の二 厚生労働大臣は、審査請求がされたときから当該審査請求に対する決定をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、都道府県労働局における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。

(審査請求期間)

第八条 審査請求は、審査請求人が原処分のあつたことを知つた日の翌日から起算して三月を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由によりこの期間内に審査請求をすることができなかつたことを疎明したときは、この限りでない。

 審査請求書を郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便で提出した場合における審査請求期間の計算については、送付に要した日数は、算入しない。

(審査請求の方式)

第九条 審査請求は、政令で定めるところにより、文書又は口頭ですることができる。

(代理人による審査請求)

第九条の二 審査請求は、代理人によつてすることができる。

 代理人は、各自、審査請求人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。ただし、審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる。

(却下)

第十条 審査請求が不適法であつてその欠陥が補正することができないものであるときは、審査官は、決定をもつて、これを却下しなければならない。

(補正)

第十一条 審査請求が不適法であつてその欠陥が補正することができるものであるときは、審査官は、相当の期間を定めて、補正すべきことを命じなければならない。ただし、その不適法が軽微なものであるときは、この限りでない。

 審査官は、審査請求人が前項の期間内に欠陥を補正しないときは、決定をもつて、審査請求を却下することができる。

(移送)

第十二条 審査請求が管轄違であるときは、審査官は、事件を管轄審査官に移送し、かつ、その旨を審査請求人に通知しなければならない。

 事件が移送されたときは、はじめから、移送を受けた審査官に審査請求があつたものとみなす。

(関係者に対する通知等)

第十三条 審査官は、審査請求がされたときは、第十条又は第十一条第二項の規定により当該審査請求を却下する場合を除き、原処分をした行政庁、審査請求の結果について利害関係のある行政庁その他の第三者(以下この章において「利害関係者」という。)及び当該審査官の属する都道府県労働局につき第五条の規定により指名された者に通知しなければならない。

 前項の通知を受けた者は、審査官に対して事件につき意見を述べることができる。

(審査請求の手続の計画的進行)

第十三条の二 審査請求人及び前条第一項の規定により通知を受けた者並びに審査官は、簡易迅速かつ公正な審理の実現のため、審査請求の手続において、相互に協力するとともに、審査請求の手続の計画的な進行を図らなければならない。

(口頭による意見の陳述)

第十三条の三 審査官は、審査請求人又は第十三条第一項の規定により通知を受けた利害関係者の申立てがあつたときは、当該申立てをした者(以下この条において「申立人」という。)に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、当該申立人の所在その他の事情により当該意見を述べる機会を与えることが困難であると認められる場合には、この限りでない。

 前項本文の規定による意見の陳述(以下この条において「口頭意見陳述」という。)は、審査官が期日及び場所を指定し、審査請求人及び第十三条第一項の規定により通知を受けた者(第五条の規定により指名された者を除く。)を招集してさせるものとする。

 口頭意見陳述において、審査官は、申立人のする陳述が事件に関係のない事項にわたる場合その他相当でない場合には、これを制限することができる。

 口頭意見陳述に際し、申立人は、審査官の許可を得て、審査請求に係る事件に関し、原処分をした行政庁に対して、質問を発することができる。

(原処分の執行の停止等)

第十四条 審査請求は、原処分の執行を停止しない。ただし、審査官は、原処分の執行により生ずることのある償うことの困難な損害を避けるため緊急の必要があると認めるときは、職権で、その執行を停止することができる。

 審査官は、いつでも、前項ただし書の執行の停止を取り消すことができる。

 執行の停止及び執行の停止の取消は、文書により、かつ、理由を附して、原処分をした行政庁に通知することによつて行う。

 審査官は、執行の停止又は執行の停止の取消をしたときは、審査請求人及び利害関係者に通知しなければならない。

(手続の併合又は分離)

第十四条の二 審査官は、必要があると認めるときは、数個の審査請求の手続を併合し、又は併合された数個の審査請求の手続を分離することができる。

(文書その他の物件の提出)

第十四条の三 審査請求人又は第十三条第一項の規定により通知を受けた者(原処分をした行政庁を除く。)は、証拠となるべき文書その他の物件を提出することができる。

 原処分をした行政庁は、当該原処分の理由となる事実を証する文書その他の物件を提出することができる。

 前二項の場合において、審査官が、文書その他の物件を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。

(審理のための処分)

第十五条 審査官は、審理を行うため必要な限度において、審査請求人若しくは第十三条第一項の規定により通知を受けた者の申立てにより又は職権で、次の各号に掲げる処分をすることができる。

 審査請求人又は参考人の出頭を求めて審問し、又はこれらの者から意見若しくは報告を徴すること。

 文書その他の物件の所有者、所持者若しくは保管者に対し、相当の期間を定めて、当該物件の提出を命じ、又は提出物件を留め置くこと。

 鑑定人に鑑定させること。

 事件に関係のある事業所その他の場所に立ち入つて、事業主、従業者その他の関係者に質問し、又は帳簿、書類その他の物件を検査すること。

 労働者災害補償保険法第三十八条第一項の規定による審査請求の場合において、同法第四十七条の二に規定する者に対して審査官の指定する医師の診断を受けるべきことを命ずること。

 審査官は、他の審査官に、前項第一号又は第四号の処分を嘱託することができる。

 第一項第四号又は前項の規定により立入検査をする審査官は、その身分を示す証票を携帯し、関係者から求められたときは、これを提示しなければならない。

 審査官は、審査請求人又は第十三条第一項の規定により通知を受けた利害関係者の申立てにより第一項第四号の処分をしようとするときは、あらかじめ、その日時及び場所をその申立てをした者に通知し、これに立ち会う機会を与えなければならない。

 審査請求人又は第十三条第一項の規定により通知を受けた利害関係者が、正当な理由がなく、第一項第一号若しくは第二項の規定による処分に違反して出頭せず、審問に対して答弁をせず、報告をせず、若しくは虚偽の陳述若しくは報告をし、第一項第二号の規定による処分に違反して物件を提出せず、第一項第四号若しくは第二項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は第一項第五号の規定による処分に違反して医師の診断を忌避したときは、審査官は、その審査請求を棄却し、又はその意見を採用しないことができる。

 第一項及び第二項の規定による処分は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(費用の弁償)

第十六条 前条第一項第一号若しくは第二項の規定により出頭を求められた者又は同条第一項第三号の鑑定人は、政令で定めるところにより、費用の弁償を受けることができる。

(特定審査請求手続の計画的遂行)

第十六条の二 審査官は、審査請求に係る事件について、審理すべき事項が多数であり又は錯そう しているなど事件が複雑であることその他の事情により、迅速かつ公正な審理を行うため、第十三条の三、第十四条の三並びに第十五条第一項及び第四項に定める審査請求の手続(以下この条において「特定審査請求手続」という。)を計画的に遂行する必要があると認める場合には、期日及び場所を指定して、審査請求人又は第十三条第一項の規定により通知を受けた者を招集し、あらかじめ、特定審査請求手続の申立てに関する意見の聴取を行うことができる。

 審査官は、審査請求人又は第十三条第一項の規定により通知を受けた者が遠隔の地に居住している場合その他相当と認める場合には、政令で定めるところにより、審査官及び審査請求人又は同項の規定により通知を受けた者が音声の送受信により通話をすることができる方法によつて、前項に規定する意見の聴取を行うことができる。

 審査官は、前二項の規定による意見の聴取を行つたときは、遅滞なく、特定審査請求手続の期日及び場所を決定し、これらを審査請求人及び第十三条第一項の規定により通知を受けた者に通知するものとする。

(審査請求人等による文書その他の物件の閲覧等)

第十六条の三 審査請求人又は第十三条第一項の規定により通知を受けた者は、決定があるまでの間、審査官に対し、第十四条の三第一項若しくは第二項又は第十五条第一項の規定により提出された文書その他の物件の閲覧(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この項において同じ。)にあつては、記録された事項を厚生労働省令で定めるところにより表示したものの閲覧)又は当該文書の写し若しくは当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面の交付を求めることができる。この場合において、審査官は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときでなければ、その閲覧又は交付を拒むことができない。

 審査官は、前項の規定による閲覧をさせ、又は同項の規定による交付をしようとするときは、当該閲覧又は交付に係る文書その他の物件の提出人の意見を聴かなければならない。ただし、審査官が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。

 審査官は、第一項の規定による閲覧について、日時及び場所を指定することができる。

 第一項の規定による交付を受ける審査請求人又は第十三条第一項の規定により通知を受けた利害関係者は、政令で定めるところにより、実費の範囲内において政令で定める額の手数料を納めなければならない。

 審査官は、経済的困難その他特別の理由があると認めるときは、政令で定めるところにより、前項の手数料を減額し、又は免除することができる。

(手続の受継)

第十七条 審査請求人が、審査請求の決定前に死亡したときは、承継人が、審査請求の手続を受け継ぐものとする。

(審査請求の取下げ)

第十七条の二 審査請求人は、決定があるまでは、いつでも、審査請求を取り下げることができる。

 審査請求の取下げは、文書でしなければならない。

 労働者災害補償保険法第三十八条第二項又は雇用保険法第六十九条第二項の規定に該当する場合において、労働者災害補償保険法第三十八条第一項又は雇用保険法第六十九条第一項の規定による再審査請求がされたときは、第四十九条第三項各号に掲げる場合を除き、当該再審査請求がされた審査請求は、取り下げられたものとみなす。

(本案の決定)

第十八条 審査官は、審理を終えたときは、遅滞なく、審査請求に係る原処分の全部若しくは一部を取り消す決定又は審査請求の全部若しくは一部を棄却する決定をしなければならない。

(決定の方式)

第十九条 決定は、政令で定めるところにより、文書をもつて行わなければならない。

 決定書には、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる旨及び再審査請求期間を記載しなければならない。

(決定の効力発生)

第二十条 決定は、審査請求人に送達された時に、その効力を生ずる。

 決定の送達は、審査請求人に決定書の謄本を送付することによつて行なう。ただし、審査請求人の所在が知れないとき、その他決定書の謄本を送付することができないときは、公示の方法によつてすることができる。

 公示の方法による送達は、審査官が決定書の謄本を保管し、いつでも審査請求人に交付する旨を政令で定める掲示場に掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報に少なくとも一回掲載してするものとする。この場合においては、その掲示を始めた日の翌日から起算して二週間を経過した時に決定書の謄本の送付があつたものとみなす。

 審査官は、決定書の謄本を第十三条第一項の規定により通知を受けた者に送付しなければならない。

(決定の拘束力)

第二十一条 決定は、第十三条第一項の規定により通知を受けた利害関係者を拘束する。

(文書その他の物件の返還)

第二十一条の二 審査官は、決定をしたときは、すみやかに、事件につき提出された文書その他の物件をその提出人に返還しなければならない。

(決定の変更等)

第二十二条 決定の変更及び更正については、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第二百五十六条第一項(変更の判決)及び第二百五十七条第一項(更正決定)の規定を準用する。この場合において、これらの規定中「裁判所」とあるのは「審査官」と、「判決」とあるのは「決定」と、同法第二百五十六条第一項中「その言渡し後一週間以内」とあるのは「その決定書の謄本が審査請求人に送付された後二週間以内」と、「弁論」とあるのは「審理のための処分」と読み替えるものとする。

(審査請求の制限)

第二十二条の二 この節の規定に基づく処分又はその不作為については、審査請求をすることができない。

(政令への委任)

第二十三条 この節に定めるもののほか、審査請求の手続に関し必要な事項は、政令で定める。

(審査及び仲裁の手続)

第二十四条 第十三条の規定は、労働者災害補償保険審査官が第六条の審査又は仲裁の申立てを受理した場合について準用する。

 前項に定めるもののほか、第六条の審査及び仲裁の手続に関し必要な事項は、政令で定める。

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