確定給付企業年金法施行令 第37条~第48条

【DB法施行令】
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(令和6年11月1日施行)

第五章 積立金の積立て及び運用

(過去の加入者期間に係る給付の基準)

第三十七条 法第六十条第三項の政令で定める基準は、加入者等の当該事業年度の末日までの加入者期間に係る給付として規約で定めるものが、次の各号に掲げる者の区分に応じ、当該各号に定めるものであることとする。

 当該事業年度の末日において、年金給付の支給を受けている者 当該年金給付

 当該事業年度の末日において、老齢給付金の受給権者であって法第三十七条第一項の規定に基づきその老齢給付金の支給の繰下げの申出をしている者 その者が当該事業年度の末日において当該支給の繰下げの申出をした老齢給付金の支給を請求するとした場合における年金として支給される老齢給付金

 当該事業年度の末日において、老齢給付金を受けるための要件のうち老齢給付金支給開始要件以外の要件を満たす者(加入者及び老齢給付金の全部に代えて脱退一時金の支給を受けた者を除く。) その者が老齢給付金支給開始要件を満たしたときに年金として支給される老齢給付金

 当該事業年度の末日において、法第四十一条第二項第一号に係る脱退一時金の受給権者であって、同条第四項の規定に基づきその脱退一時金の全部又は一部の支給の繰下げの申出をしている者 その者が当該事業年度の末日において、脱退一時金の支給を請求するとした場合に支給される脱退一時金

 当該事業年度の末日において、加入者であって、老齢給付金を受けるための要件のうち老齢給付金支給開始要件以外の要件を満たす者 その者が老齢給付金を受けるための要件を満たしたときに支給される当該老齢給付金のうち、その者の当該事業年度の末日までの加入者期間に係る分として、厚生労働省令で定めるところにより計算した額

 当該事業年度の末日における加入者(前号に規定する者を除く。) その者が脱退一時金を受けるための要件を満たしたときに支給される当該脱退一時金のうち、その者の当該事業年度の末日までの加入者期間に係る分として、厚生労働省令で定めるところにより計算した額

(事業主が締結する信託、生命保険及び生命共済の契約)

第三十八条 法第六十五条第一項第一号の規定による信託の契約は、次の各号のいずれかに該当するものでなければならない。

 当該契約の内容がイからニまでに該当する信託の契約

 給付に要する費用に充てることをその目的とする信託(運用方法を特定するものを除く。)であって、受給権者を受益者とするものであること。

 信託会社(法第六十五条第一項第一号に規定する信託会社をいう。以下同じ。)又は信託業務を営む金融機関(以下「信託会社等」という。)が、当該確定給付企業年金の毎事業年度の末日において、次に掲げる金額の合計額を下回らない金額を支払備金として保有するものであること。

(1) 当該契約に基づき受給権者に支払うべき支払金でまだ支払わないものがあるときは、その金額

(2) 当該事業主が、給付に関し既に生じた理由によって支給すべき義務があると認めて、その旨を通知したときは、当該受給権者に当該契約に基づき支払を行うに足りる金額

(3) 給付に関し、訴訟の提起が行われた旨当該事業主から通知のあったときは、その争われている金額に見合う額

 当該契約に係る信託が終了し、又は信託会社等の任務が終了したときは、信託会社等が、当該契約に係る信託財産について精算し、厚生労働省令で定める書類を作成し、速やかに、事業主に報告するものであること。

 イからハまでに定めるもののほか、厚生労働省令で定める事項を定めていること。

 当該契約に係る信託財産の運用に関し、法第六十五条第二項の規定により金融商品取引業者(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第九項に規定する金融商品取引業者をいう。以下同じ。)と投資一任契約(金融商品取引法第二条第八項第十二号ロに規定する契約をいう。以下同じ。)を締結する場合において締結する信託の契約であって、その内容が前号ロからニまでに該当し、かつ、イ及びロに該当するもの

 給付に要する費用に充てることをその目的とする信託(運用方法を特定するものに限る。)であって、受給権者を受益者とするものであること。

 当該契約に関し事業主が締結している投資一任契約に係る金融商品取引業者の指図のない場合を除き、信託会社等が当該指図にのみ基づいて当該契約に係る信託財産を運用するものであること。

 法第六十五条第一項第二号又は第三号の規定による生命保険又は生命共済の契約は、次の各号に該当するものでなければならない。

 給付に要する費用に充てることをその目的とする契約であって、受給権者をその保険金受取人又は共済金受取人とするものであること。

 当該契約に基づき事業主が受けるべき配当金若しくは分配金又は割戻金は、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業主から保険料又は共済掛金として直ちに受け入れるものであること。

 契約の解除は、将来に向かってのみその効力を生ずるものであること。

 前三号に定めるもののほか、厚生労働省令で定める事項を定めていること。

(事業主が締結する投資一任契約)

第三十九条 法第六十五条第二項の規定による投資一任契約は、事業主が金融商品取引法第二条第八項第十二号ロに規定する投資判断の全部を一任することを内容とするものでなければならない。

(基金が締結する信託の契約)

第四十条 法第六十六条第一項の規定による信託の契約は、その内容が次の各号に該当するものでなければならない。

 給付に要する費用に充てることをその目的とする信託(運用方法を特定するものを除く。)であって、基金が自己を受益者とするものであること。

 信託会社等が、当該基金の毎事業年度の末日において、次に掲げる金額の合計額を下回らない金額を支払備金として保有するものであること。

 当該契約に基づき基金に支払うべき支払金でまだ支払わないものがあるときは、その金額

 当該基金が、給付に関し既に生じた理由によって支給すべき義務があると認めて、その旨を通知したときは、当該基金に当該契約に基づき支払を行うに足りる金額

 給付に関し、訴訟の提起が行われた旨当該基金から通知のあったときは、その争われている金額に見合う額

 当該契約に係る信託が終了し、又は信託会社等の任務が終了したときは、信託会社等が、当該契約に係る信託財産について精算し、厚生労働省令で定める書類を作成し、速やかに、基金に報告するものであること。

 前三号に定めるもののほか、厚生労働省令で定める事項を定めていること。

 法第六十六条第二項の規定による信託の契約は、その内容が前項第二号から第四号までに該当し、かつ、次の各号に該当するものでなければならない。

 給付に要する費用に充てることをその目的とする信託(運用方法を特定するものに限る。)であって、基金が自己を受益者とするものであること。

 当該契約に関し基金が締結している投資一任契約に係る金融商品取引業者の指図のない場合を除き、信託会社等が当該指図にのみ基づいて当該契約に係る信託財産を運用するものであること。

(基金が締結する生命保険及び生命共済の契約並びに投資一任契約)

第四十一条 第三十八条第二項の規定は法第六十六条第一項の規定による生命保険又は生命共済の契約について、第三十九条の規定は法第六十六条第一項の規定による投資一任契約について準用する。この場合において、第三十八条第二項中「第六十五条第一項第二号又は第三号」とあるのは「第六十六条第一項」と、同項第一号中「受給権者」とあり、及び同項第二号中「事業主」とあるのは「基金」と、第三十九条中「第六十五条第二項」とあるのは「第六十六条第一項」と、「事業主」とあるのは「基金」と読み替えるものとする。

(自家運用を行う基金の管理運用体制)

第四十二条 基金は、法第六十六条第四項の規定に基づき第四十四条第二号に掲げる方法により積立金を運用する場合においては、次に掲げる積立金の管理及び運用の体制を整備しなければならない。

 法第二十二条第三項に規定する基金の業務(以下「管理運用業務」という。)に関し、厚生労働省令で定める事項を第四十五条第一項に規定する基本方針において定めていること。

 第四十四条第二号に掲げる方法による運用に係る業務(次号において「第二号業務」という。)を執行する理事を置いていること。

 当該基金に使用され、その業務に従事する者のうちに、第二号業務を的確に遂行することができる専門的知識及び経験を有する者があること。

 基金は、第四十四条第二号イからヘまでに掲げる方法により、それぞれ初めて運用するときは、厚生労働省令で定めるところにより、前項に規定する積立金の管理及び運用の体制について厚生労働大臣に届け出なければならない。当該体制に変更が生じたときも、同様とする。

(基金の自家運用に関する契約の相手方)

第四十三条 法第六十六条第四項に規定する金融機関等(以下「金融機関等」という。)は、次に掲げるものとする。

 銀行、株式会社商工組合中央金庫、株式会社日本政策投資銀行、信用金庫、信用金庫連合会、労働金庫、労働金庫連合会、信用協同組合、信用協同組合連合会、農林中央金庫、農業協同組合、農業協同組合連合会、漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会、信託会社、保険会社、無尽会社、金融商品取引業者(金融商品取引法第二十八条第一項に規定する第一種金融商品取引業を行う者(同法第二十九条の四の二第八項に規定する第一種少額電子募集取扱業者を除く。)及び同法第二十八条第四項に規定する投資運用業を行う者に限る。)及び貸金業法施行令(昭和五十八年政令第百八十一号)第一条の二第三号に規定する者であって、日本国内に本店又は主たる事務所を有する法人

 金融商品取引業者(金融商品取引法第二十八条第一項に規定する第一種金融商品取引業を行う外国法人(同法第二十九条の四の二第八項に規定する第一種少額電子募集取扱業者を除く。)に限る。)

(基金の積立金の運用)

第四十四条 法第六十六条第四項の政令で定める方法は、次のとおりとする。

 次に掲げる方法であって金融機関等を契約の相手方とするもの

 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)に規定する受益証券(証券投資信託又はこれに類する外国投資信託に係るものに限る。)又は投資証券、投資法人債若しくは外国投資証券(資産を主として有価証券に対する投資として運用すること(金融商品取引法第二十八条第八項第六号に規定する有価証券関連デリバティブ取引を行うことを含む。)を目的とする投資法人又は外国投資法人であって厚生労働省令で定めるものが発行するものに限る。)の売買

 貸付信託の受益証券の売買

 預金又は貯金

 運用方法を特定する信託であってイからハまでに掲げる方法又はコール資金の貸付け若しくは手形の割引により運用するもの

 次に掲げる方法であって金融機関等を契約の相手方とするもの

 有価証券(有価証券に係る標準物(金融商品取引法第二条第二十四項第五号に掲げるものをいい、ハにおいて単に「標準物」という。)を含み、前号イ及びロに規定するものを除く。)であって厚生労働省令で定めるもの(株式を除く。)の売買

 イの規定により取得した有価証券のうち厚生労働省令で定めるものの銀行その他厚生労働省令で定める法人に対する貸付け

 債券オプション(当事者の一方の意思表示により当事者間において債券(標準物を含む。)の売買契約を成立又は解除させることができる権利であって厚生労働省令で定めるものをいう。)の取得又は付与

 先物外国為替(外国通貨をもって表示される支払手段であって、その売買契約に基づく債権の発生、変更又は消滅に係る取引を当該売買の契約日後一定の時期に一定の外国為替相場により実行する取引(金融商品取引法第二条第十七項に規定する取引所金融商品市場において行われる取引又はこれに類する取引であって、厚生労働省令で定めるものに該当するものを除く。)の対象となるものをいう。)の売買

 通貨オプション(当事者の一方の意思表示により当事者間において外国通貨をもって表示される支払手段の売買取引(ニの厚生労働省令で定める取引に該当するものを除く。)を成立させることができる権利をいう。)の取得又は付与

 運用方法を特定する信託であって次に掲げる方法により運用するもの

(1) イからホまでに掲げる方法

(2) 株式の売買であって厚生労働省令で定めるところにより金融商品取引法第二条第八項第十一号イに規定する有価証券指標(厚生労働省令で定めるものに限る。)その他厚生労働省令で定めるもの(株式に係るものに限る。)の変動と一致するように運用するもの

(3) 金融商品取引法第二十八条第八項第三号ロからホまでに掲げる取引((2)に規定する有価証券指標その他厚生労働省令で定めるものに係るものに限る。)

(4) コール資金の貸付け又は手形の割引

(運用の基本方針)

第四十五条 事業主(厚生労働省令で定める要件に該当する規約型企業年金を実施するものを除く。以下この条において同じ。)及び基金は、積立金の運用に関して、運用の目的その他厚生労働省令で定める事項を記載した基本方針(以下この条及び第四十六条の二第三項において「基本方針」という。)を作成し、当該基本方針に沿って運用しなければならない。

 基本方針は、法令に反するものであってはならない。

 事業主及び基金は、基本方針を作成しようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、加入者の意見を聴かなければならない。

 事業主及び基金は、基本方針を作成したときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該基本方針について、加入者に周知させなければならない。

 前三項の規定は、基本方針の変更について準用する。

 事業主及び基金は、法第六十五条第一項及び第二項並びに法第六十六条第一項に規定する方法(法第六十五条第一項第一号の規定による信託の契約であって、第三十八条第一項第二号に該当するもの及び生命保険又は生命共済の契約であって、当該契約の全部において保険業法(平成七年法律第百五号)第百十六条第一項又は農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十一条の三十二に規定する責任準備金の計算の基礎となる予定利率が定められたものを除く。)により運用する場合においては、当該運用に関する契約の相手方に対して、協議に基づき基本方針の趣旨に沿って運用すべきことを、厚生労働省令で定めるところにより、示さなければならない。

(分散投資義務及び運用体制の整備)

第四十六条 事業主等は、積立金を、特定の運用方法に集中しない方法により運用するよう努めなければならない。

 基金は、管理運用業務を執行する理事を置かなければならない。

(資産運用委員会)

第四十六条の二 積立金の額が厚生労働省令で定める額以上の事業主等(積立金の額が当該厚生労働省令で定める額以上となると見込まれる事業主等を含む。)は、資産運用委員会を置かなければならない。

 資産運用委員会は、事業主及び加入者のそれぞれを代表する者で組織する。

 資産運用委員会は、基本方針その他の積立金の管理及び運用に係る事項に関し、事業主又は基金の理事長若しくは管理運用業務を執行する理事に対して意見を述べるものとする。

(資産管理運用契約等に基づく権利の譲渡等の禁止)

第四十七条 事業主等は、資産管理運用契約又は基金資産運用契約に基づく権利を譲り渡し、又は担保に供してはならない。

(省令への委任)

第四十八条 この章に定めるもののほか、積立金の積立て及び運用に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

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