【努力義務化は目前!? 70歳までの就業機会確保】第6回 職場環境の整備 あえて旧式設備存続も 見方を変えて改善進める/内田 賢
2019.11.07
【労働新聞】
強み活かし弱点補う
70歳までの就業機会確保に向けて定年延長や継続雇用制度を整備しても、実際の職場環境が高齢者の実態に即していなければ効果は上がらず、高齢者の就業継続を難しくする。
福祉的意味合いで高齢者雇用をするのではなく、戦力として高齢者を活用するのであれば、高齢期に現れがちな弱点を補い、高齢者が長年培ってきた熟練や経験といった強みを発揮しやすい環境を整備すべきである。職場環境の整備については高齢者雇用が従来から進んでいる中小企業の施策が参考となる。以下、紹介する。
体力と集中力が低下
多くの高齢者に現れるのは体力の低下である。そこで重い物を持たせない工夫が必要となる。搬送装置を用いた機械化はもちろん、キャスターを付けた運搬具があれば体力負担は軽い。このような工夫は製造業だけでなく、高齢者が多く働く介護福祉施設でも普及している。
歩行距離が長いのも体力に負担がかかるので動線を短くする。また、1階と2階を頻繁に往復する作業も同じ階で行えれば望ましいが、…
筆者:東京学芸大学 教授 内田 賢
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令和元年11月11日第3232号11面 掲載