【どう向き合う!合同労組―対応の基本原則―】第1回 労働組合の状況と合同労組の意義/岡芹 健夫

2013.07.01 【労働新聞】
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 前述2のとおり、合同労組の関与する労使紛争のなかには、前述した駆込み労組案件が多々みられるが、これは、換言すれば、それまで当該労働者の権利、主張を代弁する労働組合が当該労働者の周囲、身近に存さず、一般労組がそうした労働者の声を吸い上げているというところがある。

 現に、それでなくとも労働者全体において組合組織率が低下しているのは前述1のとおりであるが、そのなかでも、とくに労働組合に組織されることの少ない中小企業の労働者、あるいは有期雇用者、パート、派遣労働者等といった非正規労働者においては、自己に不利益が及んだ場合、もともと相談できる労働組合が存しないということが、合同労組に駆け込む大きな要因となっているともいえよう(ちなみに非正規労働者の組合組織率は、平成22年の数字でも約5%である)。

 しかも、殊に非正規労働者の全労働者における割合は、平成元年頃は約20%であったものが、平成22年には約35%となっており、そうした非正規労働者が、もともと労働組合に組織されていなかったことからして、いざ不利益を受けた後になって合同労組に駆け込むという傾向はますます強まっていくと思料される。

 その意味で、本連載で紹介するような合同労組対策は、今後、ますます、企業の人事・労務において重要性を有してくるものと思われる。

筆者:髙井・岡芹法律事務所 所長弁護士 岡芹 健夫

平成25年7月1日第2927号4面 掲載

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