▶化学工場の３交替勤務の朝、15人が働くその職場では騒然となりました。３時から５時までの遅番で仮眠をとったＡ君（19歳、勤続１年）の姿が朝６時になっても見えないのです。夜勤者の仮眠は、休憩所や現場事務所で行っていましたが、Ａ君はそのどちらにもいなかったのです。そして、３時にＡ君の姿を誰も見ていないのでした。

　タンクやピットの中に落ちたのではないか、どこかに倒れているのではないか…など、みんなが青くなってＡ君を捜しているところに「すみません、寝過ごしちゃって…」と現れてきました。Ａ君は、休憩所はいびきや会話がうるさいので、静かで暖かな所で寝ようと現場の加熱反応タンクの後ろで寝ていたのでした。…

執筆：セフテイレビュー 代表　末松 清志