『賞与』の労働判例

2023.08.31 【判決日:2022.11.02】
医療法人佐藤循環器科内科事件(松山地判令4・11・2) 賞与支給日の20日前死亡、遺族が支払い求める 病死に“在籍要件”適用せず
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 夏季賞与の支給日の20日前に私傷病で病死した従業員の遺族が、賞与の支払いを求めた。松山地裁は、病死退職に賞与支給日の在籍要件を適用することは公序良俗に反すると判断。病死は事前に予測できず、在籍要件を適用すれば労働者に不測の損害が生じるとした。算定期間は満了するなど支給額は確定した状態で、受給期待は法的保護に値するとして、全額支払いを命じ……[続きを読む]

2019.10.17 【判決日:2019.01.16】
大阪市交通局事件(大阪地判平31・1・16) 身だしなみ基準違反で考課減点され慰謝料請求 ひげで低評価は裁量を逸脱
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  • 賃金
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 地下鉄の運転士2人が、ひげで低評価の査定を受けたと慰謝料などを求めた。身だしなみ基準では整えた状態も不可だった。大阪地裁は、ひげは社会に広く肯定的に受け入れられておらず禁止に合理性はあるが、基準は任意の協力を求める趣旨で、不利益処分とすることは合理的な限度を超えると判断。上長の退職示唆なども含め裁量権の逸脱濫用として各22万円の支払いを……[続きを読む]

2015.12.27 【判決日:2015.05.07】
京都大学事件(京都地判平27・5・7) 国立大職員の給与減額、1年半の時限措置で効力は 国から要請あり必要性認容
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 国立大学の教職員115人が、約1年半の時限的な給与減額は無効と提訴。京都地裁は、国家公務員の給与減額を契機として、国から役職員の給与減額要請があり、それに併せて実施したもので高度の必要性を認容。他大学よりも低い減額率で、労組と交渉を繰り返すなど給与規程変更を合理的とした。労契法10条により規程変更に合意していない者に対しても拘束力は及ぶ……[続きを読む]

2014.05.05 【判決日:2013.05.25】
国・中労委(シオン学園)事件(東京地判平25・5・23) 賞与の低査定は組合差別、救済申立て棄却され提訴 不利益取扱いの推認が可能 ★
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 組合員の賞与を低く査定したとして、労組が不当労働行為の救済申立てを棄却した中労委命令の取消しを求めた。東京地裁は組合員と非組合員は自動車教習所の指導員として働き、同質性を有する集団と判示。会社と対立が悪化した時期に考課分が100%に拡大し運用に恣意的な要素が入るなど、考課制度の合理性を欠き不利益取扱いと推認した。 考課分が100% 恣意……[続きを読む]

1997.11.10 【判決日:1996.10.29】
力ツデン事件(東京地判平8・10・29) 対象期間勤務した定年退職者から賞与の請求 支給日在籍要件は有効
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  • 賃金
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妥結の遅延に伴うケースは理由必要 筆者:弁護士 加茂 善仁(経営法曹会議) 事案の概要  XはY会社に雇用されていたが、平成7年6月27日、定年により退社した。Y会社の給与規程によると、夏季賞与の支給日は、原則として7月の第2週の金曜日とし、支給対象期間は前年11月21日から当年5月20日までとするが、支給日現在在籍している者に支給すると……[続きを読む]

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