『労働者性』の労働判例

2009.09.14 【判決日:2008.07.31】
H工務店事件(大阪高裁平20・7・30) 一人親方が転落、元請に安配義務なしの判断は 請負的でも使用従属関係に
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 工務店から住宅建築を請け負った大工歴30年の一人親方が、転落事故で負傷し、安全配慮義務違反に基づく損害賠償を求めたが、個人事業主であることを理由に棄却されたため控訴した。大阪高裁は請負契約の色彩が強いものの、元請が管理する現場で指示・命令に従ったこと等、実質的な使用従属関係にあったと判示したが、落下には道具選択と技量に誤りがあり8割を過……[続きを読む]

2008.03.10 【判決日:2007.05.17】
O技術(労災損害賠償)事件(福岡高裁那覇支判平19・5・17) 契約関係ない孫請で労災、元請の安配義務は? 代理人通じ指揮監督関係に
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 土木工事の孫請会社で起きた労災事故を巡る損害賠償訴訟で、元請の関与度が少ないことを理由に安全配慮義務を否定した事案の控訴審。福岡高裁那覇支部は、元請は現場代理人を通じて孫請へ指揮監督する関係にあり、安全配慮義務を負うとし、作業の危険性は予見可能で、事故防止のための注意義務を怠った過失を認定、3割の過失相殺を行って請求を認容した。 具体的……[続きを読む]

2008.01.21 【判決日:2007.06.28】
藤沢労基署長事件(最判平19・6・28) 一人親方への労災不支給、一、二審の判断不当? 法上の労働者と評価できず ★
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 作業場を持たず1人で工務店の仕事を請け負っていた大工が負傷し、労災申請したが不支給処分になったためその取消しを求めた事案の上告審。最高裁は、作業形態や専属性の程度から、工務店の指揮監督下で労務を提供していたと評価できず、報酬は、仕事の完成に対して支払われたものであり、事業者性が認められること等から原審の判断を是認した。 労務提供ではない……[続きを読む]

1997.08.04 【判決日:1996.11.28】
横浜南労基署長事件(最判平8・11・28) 傭車運転手の労働者性で初の判断 指揮監督下の労務提供ではない ★
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労基法研報告と同旨の立場とる 筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議) 事案の概要  上告人Xは、自己の所有するトラックをA会社の横浜工場に持ち込み、A会社の運送係の指示に従い、A会社の製品の運送業務に従事していた者であるが、(1)A会社のXに対する業務の遂行に関する指示は、原則として、運送物品、運送先及び納入時刻に限られ、運転経路へ出発時……[続きを読む]

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