労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1992年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。タイトル末尾に「★」マークがあるものは、判決文のリンクを掲載しています。

2014.12.15 【判決日:2014.04.04】
DIPS事件(東京地判平26・4・4) 営業手当は月30時間分の時間外割増賃金に当たるか 固定残業代の性質有さない
ジャンル:
  • 割増賃金
  • 労働時間
  • 管理監督者性
  • 賃金

 アルバイトのシフト管理や指導をする者が、営業手当を月30時間分の割増賃金とする定めは無効として未払賃金等を求めた。東京地裁は30時間を超えるのは明白だが、出勤簿等から時間管理の意思がないことが推認できるほか、手当は成績で減給され固定残業代の性質とは相容れないと判示。時間外見合いの合意が成立したとは認め難いとした。 成績悪ければ減給 超過……[続きを読む]

2014.12.08 【判決日:2014.07.17】
帝産キャブ奈良事件(奈良地判平26・7・17) 株主総会で会社の解散を決議、全員解雇の効力は? 交渉で撤回の可能性乏しい
ジャンル:
  • 企業解散
  • 解雇

 株主総会で会社解散が決議され解雇された運転者らが、地位確認等を求めた。奈良地裁は営業損失が3年連続したこと等から合理性を認めたうえで、労組の団交要求を拒否し文書での説明も不十分だが、団交で会社役員が解散の撤回について交渉するには限度があり、その可能性は乏しいと判示。解雇有効としたが、団交拒否について損害賠償を命じた。 営業損が3年連続 ……[続きを読む]

2014.12.01 【判決日:2014.05.21】
千葉県がんセンター事件(東京高判平26・5・21) 麻酔担当外され退職、問題上申した報復と賠償請求 内部通報理由の不利益扱い
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償

 麻酔医が手術担当を外され退職を余儀なくされたのは内部通報の報復と訴えた事案で、慰謝料を命じた一審を不服として病院が控訴した。東京高裁は一審を踏襲し、手術件数に顕著な減少がないにもかかわらず不可解で、所属部長は自らを通さず研修の問題点を上申したことを敵対的行為と受けとめ手術室予定表の作成権限を濫用したもので違法とした。 権利濫用に当たる ……[続きを読む]

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