労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1992年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。タイトル末尾に「★」マークがあるものは、判決文のリンクを掲載しています。

2014.10.27 【判決日:2014.04.23】
海上自衛隊事件(東京高判平26・4・23) いじめで自殺、慰謝料のみを認定した一審の判断は 他に申告があり予見は可能
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償

自衛隊員の自殺といじめに相当因果関係はなく、慰謝料のみ認めた一審を不服として、遺族が国等に損害賠償を求めて控訴した。東京高裁はうつ病の発症は否定したが、自殺以前に他の乗員が上司に加害者から暴行を受けた旨を申告しており、乗員らの事情聴取を行えば被害者の心身の状況も把握できたとして、約7300万円の支払いを命じた。 上司らが調査怠る 賠償の責……[続きを読む]

2014.10.20 【判決日:2013.11.21】
芝ソフト事件(東京地判平25・11・21) 部長を中途採用、役員への暴言や経歴書出さず解雇 処分重すぎ権利濫用で無効
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 業務命令違反

 業務推進部長として中途入社したが、取締役への暴言や職務経歴書の提出を拒否し懲戒解雇、予備的に普通解雇されたため地位確認等を求めた。東京地裁は、懲戒解雇は重きに失し権利濫用に当たり、言動で会社損害が生じたこともなく普通解雇も無効とした。解雇を不法行為とする慰謝料請求については、具体的な非違行為の存在等から棄却した。 会社損害なかった 慰謝……[続きを読む]

2014.10.13 【判決日:2013.12.05】
国・中労委(阪急交通社)事件(東京地判平25・12・5) 派遣先がみなし制巡る団交拒否、労委が不当と判断 管理責任があり応諾義務も
ジャンル:
  • 労働組合

 みなし労働時間制の適用に関する派遣添乗員の団交申入れを派遣先が拒否し、労委に不当労働行為とされたためその取消しを求めた。東京地裁は業務の態様から労働時間は算定でき、派遣先が時間管理を怠り割増賃金が支払われなかった点において雇用主と同視できる程度に労働条件を支配決定しているとして、その範囲で労組法の使用者とした。 雇用主と同視可能 時間の……[続きを読む]

2014.10.06 【判決日:2014.03.14】
富士ゼロックス事件(東京地判平26・3・14) 職務怠慢の問題社員を中途採用から1年で普通解雇 再三注意も改善見込みなし
ジャンル:
  • 勤務成績不良
  • 解雇

 障害者雇用促進法で定める障害者として中途採用された者が、勤務成績不良や多数の業務命令違反を理由に1年で解雇され地位確認等を求めた。東京地裁は居眠りや日報の提出遅れ、期待を大きく下回る評価など服務・能力上の問題に対し注意や研修を繰り返したほか、本人希望も考慮し職場環境を替えたが改まらず、解雇は社会通念上相当とした。 異動希望にも対応 期待……[続きを読む]

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