労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1992年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。タイトル末尾に「★」マークがあるものは、判決文のリンクを掲載しています。

2013.12.16 【判決日:2013.01.31】
伊藤忠商事事件(東京地判平25・1・31) うつ病の休職期間満了で退職措置、就労可能と提訴 総合職の採用で復職先なし
ジャンル:
  • 休職
  • 休職の終了・満了

 躁うつ病の休職期間が満了し退職となった従業員が、仮に従前の業務はムリでも配転可能な業務を検討すべきとして地位確認を求めた。東京地裁は復職の可能性を検討すべき職種は、雇用されていた「総合職」と判断。総合職のいずれの職種にも対人折衝等の複雑な調整に耐え得る精神状態が必要だが、そこまで回復したとは認められず、社会復帰も困難として請求を斥けた。……[続きを読む]

2013.12.09 【判決日:2013.01.17】
音楽之友社事件(東京地判平25・1・17) 就業規則改訂し退職金廃止、労組との協約の効力は 契約内容の一部として存続 ★
ジャンル:
  • 労働組合
  • 就業規則の不利益変更
  • 退職金

 就業規則に定める退職金制度などを廃止したのは労働協約に反するとして、組合員らが改訂の無効を訴えた。東京地裁は、労働協約は解約の意思表示から90日経過すれば効力が生じるが、長年にわたって労働条件を規律し、失効後も労働契約内容の一部として存続すると判示。仮に規則変更に同意しても、協約に反する労働条件は無効で、個別の労働契約では廃止できないと……[続きを読む]

2013.12.02 【判決日:2013.01.23】
JR東海事件(東京地判平25・1・23) 酒気帯びで新幹線運転士の乗務を拒否し減給措置に 判断は合理的だが処分過重
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 飲酒行為

 新幹線の運転士が、酒気帯びの基準値を下回る状態で乗務不可とされ、それに伴う減給処分の無効などを訴えた。東京地裁は、酒気帯び状態の認定と乗務不可の判断は合理的だが、安全を最優先すべき職務上の義務を考慮しても違反行為の態様は悪質とはいえず、過去の処分例と比べ重きに失し、懲戒権濫用で無効と判示。昇格の不利益などはなく慰謝料の請求は棄却した。……[続きを読む]

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