労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1992年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。タイトル末尾に「★」マークがあるものは、判決文のリンクを掲載しています。

2013.11.25 【判決日:2012.12.20】
損害賠償求償(X社)事件(名古屋地判平24・12・20) 社内暴力で会社が全額賠償、加害者への求償限度は 故意の不法行為で減額不要
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  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償

 従業員間の暴行傷害事件で会社と加害者に連帯して損害賠償の支払いを命じた判決を受け、全額を支払った会社が、加害者へ求償できるか権利の確認を求めた。加害者は、損害の公平な分担の見地から減額を主張。名古屋地裁は、事件の予見は不可能で、人員配置に過失はないとしたうえで、事件は故意の不法行為で求償権の範囲を制限する事情はないとして請求を認めた。……[続きを読む]

2013.11.18 【判決日:2013.02.27】
ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル事件(東京高判平25・2・27) 酒弱い部下に飲酒強要、パワハラでないとの判断は 迷惑行為にとどまらず違法
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償

 飲酒強要などパワハラを受けたとして元営業マンが、会社と元上司に損害賠償などを求めた。一審は請求を一部認め、慰謝料70万円としたが、飲酒強要は上司の立場を逸脱し許容範囲を超えていたとはいい難いとして退けた。東京高裁は、執拗に酒を強要し迷惑行為にとどまらず違法と判示し、賠償額を150万円と認容。なお、パワハラと精神疾患との因果関係は否定した……[続きを読む]

2013.11.11 【判決日:2013.02.27】
東亜外業(本訴)事件(神戸地判平25・2・27) 工場休止し希望退職に応じない組合員ら28人を解雇 回避努力尽くしたといえず
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  • 整理解雇
  • 解雇

 赤字工場の休止に伴う希望退職者の募集に応じず解雇された28人のうち、組合員23人が解雇無効と提訴。神戸地裁は整理解雇の要素を勘案し、億単位の赤字額から人員削減の必要性は認めたものの、求人を募集していた他の事業所への配転を提案しておらず解雇回避努力を尽くしたとはいえないと判示。被解雇者がほぼ組合員なのも不自然で、客観的合理性を欠くとした。……[続きを読む]

2013.11.04 【判決日:2013.04.25】
淀川海運事件(東京高判平25・4・25) 労組委員長を整理解雇、一審は「人選に疑問」と無効 再建願う従業員と関係悪化
ジャンル:
  • 整理解雇
  • 解雇

 経営難から労組の執行委員長らを整理解雇した事案の控訴審。一審は、割増賃金請求訴訟を提起した者を退職させることが目的で被解雇者の人選に疑問があるとしたが、東京高裁は、委員長は他の労組が同意したワークシェアリングに反対するなど再建を願う他の従業員から協調性に欠けると認識され、業務遂行に支障が及ぶと判示。人選の合理性など整理解雇4要件を満たす……[続きを読む]

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