労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1992年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。タイトル末尾に「★」マークがあるものは、判決文のリンクを掲載しています。

2013.10.28 【判決日:2013.02.20】
K化粧品販売事件(大分地判平25・2・20) ノルマ未達でコスプレの罰、会社や上司に賠償請求 過度の心理的負荷負わせた
ジャンル:
  • 労基法の基本原則
  • 均等待遇

 化粧品の販売目標に達しなかった罰に研修会でのコスチューム着用を強要されるなど精神的苦痛を受けたとして、女性販売員が上司ら3人と会社に損害賠償を求めた。大分地裁は、たとえ着用が任意でも拒否するのは非常に困難で、社会通念上正当な職務行為とはいえず心理的負荷を過度に負わせたと判示。会社は使用者責任を負い、連帯して22万円を賠償するよう命じた。……[続きを読む]

2013.10.21 【判決日:2012.10.11】
ニューロング事件(東京地判平24・10・11) 退職金請求訴訟で懲戒解雇事由を追加主張したが… 直接の処分理由と関連なし
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 賃金
  • 退職金

 退職届を提出後、競合会社との無許可取引などを理由に懲戒解雇された海外事業部長が、退職金の支払いなどを求めた。東京地裁は、約35年の勤続の功を抹消するほど重大とはいえないとして基本退職金の支払いを命じたが、功労加給金はその趣旨から請求を棄却した。懲戒事由として追加主張された資金流用などは、解雇通知の非違行為と同一性や関連性がなく採用できな……[続きを読む]

2013.10.14 【判決日:2012.11.01】
ダイキン工業事件(大阪地判平24・11・1) 偽装請負を直用化、不更新条項設け2年半で雇止め 更新の合理的期待なかった
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 労働局から偽装請負の是正指導を受け、2年半を更新限度として有期で直接雇用した従業員を雇止めしたところ、無効と訴えられた。大阪地裁は、指導に期間の定めを禁ずる法的効果はないとしたうえで、人員調整の必要などから不更新条項を設けたもので、直用化前後で書面で説明し就業規則にも規定していたことから、更新の合理的期待を有する余地はなかったと判示。……[続きを読む]

2013.10.07 【判決日:2012.11.30】
日本通信(懲戒解雇)事件(東京地判平24・11・30) システム管理者権限の抹消命じたが応じず懲戒解雇 実害なく具体的危険性欠く
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 懲戒手続
  • 懲戒権の濫用

 社内ネットワークのシステム管理者権限の抹消を命じる業務命令を拒んだことから懲戒解雇した事案。東京地裁は、重大な違反だが実害が生じたわけではなく、具体的かつ現実的な危険性も認められないとしたうえで、弁明機会を与えず手続的相当性を欠き解雇無効と判示。普通解雇に当たるとの主張も、是正余地がないとはいえず即日解雇の必要性や緊急性はないと退けた。……[続きを読む]

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