労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1992年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。タイトル末尾に「★」マークがあるものは、判決文のリンクを掲載しています。

2013.03.25 【判決日:2012.09.20】
本田技研工業事件(東京高判平24・9・20) 不更新条項付き契約に署名、雇止め有効の判断は? 継続雇用の期待利益を放棄
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 不更新条項付きの有期雇用契約による雇止めを有効とした一審を受けて、自動車メーカーの期間工が控訴。東京高裁は、従前は期間満了後に退職させ再入社させていたが、減産に伴いこれまでとは異なる雇止めである旨を説明し、期間工はそれを真に理解し、自由意思に基づき契約更新したもので雇用継続の合理的期待を放棄したと判示。一審同様に解雇法理の類推を否定した……[続きを読む]

2013.03.18 【判決日:2012.11.29】
津田電気計器事件(最一小判平24・11・29) 継続雇用基準満たすとした原審に対して最高裁は? 評価の誤り正す判断を支持 ★
ジャンル:
  • 定年・再雇用
  • 退職

 継続雇用基準の査定には誤りがあり、再雇用拒否を違法とした原判決を受けて、会社が上告した。最高裁は原審を踏襲し、選定基準を満たしており継続雇用の申込みを承諾する義務があるとしたうえで、不承諾は「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上認められない」と判示。嘱託再雇用されたのと同様の雇用関係が存続し、賃金や労働時間などは会社規程に従うとした。……[続きを読む]

2013.03.11 【判決日:2012.08.31】
日本精工事件(東京地判平24・8・31) 派遣契約終了で日本人のみ直接雇用、日系人が提訴 正社員化の基準説明すべき
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 派遣

 機械部品の工場で働く日系ブラジル人12人が、偽装請負など違法派遣であり、派遣先に対し労働契約が成立していたなどと提訴。東京地裁は、黙示的にも契約は不成立だが、日本人のみを直接雇用しており、その選別基準を説明したり、再就職先のあっせんなど道義的責任を果たさず信義則違反と判示。帰化した者も存在し、精神的苦痛に対し50万~90万円の支払いを命……[続きを読む]

2013.03.04 【判決日:2012.09.05】
NTT東日本―北海道ほか事件(札幌地判平24・9・5) 勤続5年超の契約社員が派遣会社へ転籍拒み雇止め 継続性なく更新期待はムリ
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇
  • 配転・出向

 全ての契約社員を派遣会社に転籍させ、同一業務で受け入れる「雇用替え」について、勤続5年余の3人が転籍に応じず雇止めされ地位確認を求めた。札幌地裁は、業務拠点の集約化が進み毎年数人を雇止めするなど、雇用継続の合理的な期待はないと判示。解雇権濫用法理を類推適用しても、処遇や労組との協議手続きなどから雇止めを正当化する合理的理由があるとした。……[続きを読む]

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