大阪府保健医療財団事件(大阪地判平18・3・24) 業務移管後の復職申出、能力不足理由に解雇へ 過去の事由では合理性欠く

2006.12.18 【判決日:2006.03.24】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 救命センターなどの運営を他の病院に移管した後に、休職中の検査技師から職場復帰の申し出を受けた医療財団が、休職発令前の能力不足や協調性欠如などを理由に解雇した事案で、大阪地裁は、業務移管により復帰先職場に苦慮し過去の事由で解雇したもので、解雇に値するものとは言い難いと判示、賃金請求権の始期は職場復帰日と判断している。

解雇には値しない 賃金請求権復職日から

筆者:弁護士 緒方 彰人(経営法曹会議)

事案の概要

 本件は、救命救急センター、看護師等養成所および健康科学センターに係る受託業務の運営・調査研究等を目的とするY医療財団(以下、Y財団)が、受託業務の移管により、休職していた臨床検査技師Xを復職させる職場に苦慮し、能力不足等を理由に解雇したものである。

 Xは臨床検査技師として、主にY財団が運営を受託していた千里救命センターで勤務していたが、精神的原因による不眠や嘔吐が続く等して体調不良を理由に欠勤が続いたため、平成14年6月30日から同16年8月31日まで休職を命じられた。

 その間、新千里病院の運営がY財団から済生会に移管され、千里救命センターの運営も済生会に移管されたため、Y財団が運営を受託するのは中河内救命センターだけとなった。

 しかし、Xが同センターで勤務することは困難であったため、Y財団は、同16年7月7日、Xに退職勧奨したが、Xは、これを拒否するとともに、同年11月29日には、12月1日から就労を可能とするO医師やN医師の診断書を提出して復職の申し出を行った。そこで、Y財団は、12月17日、復職は認めたものの、…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

ジャンル:
平成18年12月18日第2613号14面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。