ピーエムコンサルタント事件(大阪地判平20・6・6) 自殺者の退職金額、算定事由は“自己都合”に? 規定どおり会社都合が妥当

2009.04.06 【判決日:2008.06.06】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 在籍9年目に自殺した従業員の妻が、退職金規程で定める「会社都合」に基づく死亡退職金を請求したが、会社は業務関連性のない私傷病に準じる「自己都合」として支給した。大阪地裁は、規程上では死亡した場合は理由を問わず会社都合としており、死因で区別しないことは不合理とはいえず、限定解釈する必要性も見出し難いことから、自己都合扱いは不当と判示した。

死因の区別行わず 「限定解釈」は不要

筆者:弁護士 岩本 充史

事案の概要

 Xの夫である亡太郎は、平成5年6月21日、Yに雇用され、平成13年9月25日、自殺により死亡するまで、Yで稼働した。

 Yの退職金規程第7条では、自己都合等による場合として、①自己の都合で退職する場合、②私傷病により、その職に耐えず退職する場合と規定し、基本給×自己都合支給率の算式で計算するとしている。

 同規程第8条では、会社都合等による場合として、①会社の都合により退職する場合、②死亡した場合、③定年に達した場合、④業務上の傷病疾病により退職する場合と規定し、基本給×会社都合支給率の算式で計算するとしている。

 なお、亡太郎の死亡当時のYにおける在職年数は8年であり、本件退職金規程により、退職金算定の基礎額となる基本給の額は20万500円、自己都合支給率は4.2、会社都合支給率は6.2と定められている。

 Yは、保険金を退職金の一部に充てることを目的として、亡太郎に対し、A生命保険相互会社との間で、生命保険契約(以下「本件保険契約①」)を締結させ、保険料支払いの方式として亡太郎に対し、毎月の保険料相当額を月給の一部(技術研修費)として支給したうえ、同額を団体保険料として預かり、保険料に充てる形をとった。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

ジャンル:
平成21年4月6日第2723号14面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。