芝ソフト事件(東京地判平25・11・21) 部長を中途採用、役員への暴言や経歴書出さず解雇 処分重すぎ権利濫用で無効

2014.10.20 【判決日:2013.11.21】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 業務推進部長として中途入社したが、取締役への暴言や職務経歴書の提出を拒否し懲戒解雇、予備的に普通解雇されたため地位確認等を求めた。東京地裁は、懲戒解雇は重きに失し権利濫用に当たり、言動で会社損害が生じたこともなく普通解雇も無効とした。解雇を不法行為とする慰謝料請求については、具体的な非違行為の存在等から棄却した。

会社損害なかった 慰謝料請求は棄却

筆者:弁護士 岡芹 健夫(経営法曹会議)

事案の概要

 Y社は、平成9年に設立された中国系のソフトウエア会社であり、海外ソフトウエア開発業務を中心として事業を行う会社である。B(女性)がY社の代表者、AがY社の専務取締役であり、Bが主に営業を担当し、Aが総務、管理、営業および技術を担当し、AとBとは夫婦である。

 Xは、昭和59年に大学を卒業後、2社の入退社、その後約1年間の自営業(インターネットカフェの経営)を経て、平成23年9月、IT業務の推進、企画営業およびプロジェクト管理を主な職務とするIT業務推進部長としてY社に入社した。XとY社との雇用契約において、Xの月額賃金は40万円とされ、賞与は業績に応じて支給するとされていた。

 平成23年11月、XはY社本社事務所において、Aと業務について協議していたところ、口論となった際に、Aに対して大声で怒鳴り、Aも強い口調で反論したことから激高し、「やる気か、コラ」などと申し向けた。

 平成24年4月、Xは営業活動についての言動や対応について、複数の取引先からクレームを受けていたこと等から、BはXがIT業務推進部長としての適性に欠けると考え、Xの能力等を把握してXに適した業務を与えるために、職務経歴書の提出を指示したところ、Xは詳しい経歴は覚えていない等と回答した。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

平成26年10月20日第2989号14面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。