昇降機の規格確認を 工場や倉庫で違反多く 武雄労基署
2025.06.02
【労働新聞 ニュース】
佐賀・武雄労働基準監督署(平山正署長)は、労働安全衛生法で定める構造規格を満たしていない昇降機を使用する事業場が散見されることから、リーフレットを作成し、点検を促している。「とくに昔ながらの工場や物流倉庫でみられる」(平山署長)とし、荷の積卸口に戸が設けられていないなど規格を満たしていない場合、改修するよう求めている。
昇降機とは、人と荷を運ぶエレベーターと、荷の運搬のみを行う簡易リフトを総称したもの。リーフでは、「昇降路は荷の積卸口を除き、壁が設けられている」「搬器は荷の積卸口を除き、周囲に囲いが設けられている」など労働者のはさまれ、墜落を防ぐために、法令で求められている措置の再点検を促した。
平山署長は、「専門ではない業者が作った昇降機は、安全な構造ではないことが多く、非常に危ない。重篤な災害にもつながりかねない」と危機感を示す。
同県内では、過去に違法な昇降機が関連した死亡災害も発生している。昨年には、安全装置を備え付けないリフトを使用中の労働者が、搬器を下から覗いた際、降りてきた搬器にはさまれて死亡している。
令和7年6月2日第3499号4面 掲載