中小労組が全体平均上回る 賃上げ要求を公表 2020年春季労使交渉

2020.03.07 【Web限定ニュース】
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時短労働者も前年より増

 春季労使交渉の要求状況の集計が続々と公表されている。連合の集計によると、正社員の要求は8895円で、引上げ率は3.09%だった。組合員数300人未満の労組の要求が全体を上回る傾向もみられ、ベアに関して、JAMでは143円高い4571円、UAゼンセンでは53円高い4398円となっている。短時間労働者などの要求も、前年を上回った。

連合の動き

 連合は、3月2日時点で、3421組合が要求を提出したとした。前年に比べ、192組合減少している。平均賃金方式で要求した2970組合について、定昇相当分を含む要求額は、組合員数による加重平均で8985円、引上げ率は3.09%(対前年比289円減、0.07ポイント減)となった。規模別にみると、300人以上が9072円、3.08%、300人未満が8141円、3.22%で、300人未満の引上げ率が300人以上や全体を上回っている。

 有期・短時間・契約等の労働者については、加重平均で時給40.99円(前年比2.94円増)、月給7042円(同881円増)の要求となった。正社員の賃上げ要求が対前年比で減少したのと対照的な動きをみせた。

 連合の神津里季生会長は、要求水準に対し「ここ数年の要求動向と同じ動きがみて取れる」としている。

産別の動き

 産別でも、中小労組の要求が大手労組を超える傾向がみられた。300人未満の中小製造業の労働組合が大半を占める産業別労組JAM(安河内賢弘会長)では、3月5日時点で、896組合が要求を提出。定昇に当たる賃金構造維持分を切り分けられる組合について、賃金改善(ベースアップ)要求は、全体が単純平均で4428円となった。一方、組合員数300人未満は4571円と、全体平均を143円上回っている。

 賃金構造維持分を切り分けらなれない労組も含めた平均要求額(単純平均)は、全体が8447円、3.32%、300人未満に限ると8319円、3.37%となった。

 3月2日の会見では、「経済情勢などは厳しいが、経団連会長と同じく、賃上げの流れがとまれば長期不況という懸念を持っている。ここは労使双方が歯を食いしばって人への投資を実現していくことが重要」(安河内会長)と述べた。

 UAゼンセン(松浦昭彦会長)においては、2月末時点において、すべての雇用区分で前年を上回る賃上げ要求をしている。正社員の要求は、449組合の単純平均で9385円(前年比88円増)、3.53%となったほか、300人未満は9423円、3.75%と、ここでも300人未満が全体を上回った。また、賃金体系維持分が明確な労組について、ベアの要求の平均は、全体が4345円、1.53%、300人未満が4398円、1.63%だった。

 短時間(パートタイム)組合員の要求は、時給43.7円(前年比3.7円増)、4.37%となっている。引上げ率は、2013年以降、最も高い水準となった。

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