人事・労務・安全衛生の労働実務相談Q&A

2019.08.14

「運行供用者」の責任誰に 送迎してくれた車で事故

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Q

 当社の社員Xが遠方の取引先Y社に営業活動に行って、乗る予定だったバスの便がなくなってしまいました。Y社のB社長が、好意で自社の自動車で最寄り駅近くのY社の営業所まで乗って行ってはどうかと勧めてくれて、Y社の従業員Cさんが運転することになりました。ところがXが別の取引先D社に立ち寄ってから帰りたいと考え、Cさんに頼んでD社に向かったのですが、その途中で事故に遭いXが負傷してしまいました。XはY社に対して損害賠償の請求ができるのでしょうか。【愛知・T社労士】

A

被害者自身にも運行利益 会社に損害賠償請求不可

 自動車損害賠償保障法(自賠法)3条は、自己のために自動車を運行の用に供する者(運行供用者)は、その運行によって他人の生命または身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責任(運行供用者責任)を負うと定めています。

 本件において運行供用者に当たるのは誰でしょうか。判例は、運行供用者に当たるというためには、その者が自動車に対する運行支配および運行利益を有していることを要するとしています(最判昭43・9・24など)。本件の場合、Y社は…

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2019.07.31

賠償額になぜ大きな差が 「本」と損保会社の算出額

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  • 交通事故処理
Q

 交通事故の被害者ですが治療・リハビリが約4カ月で終了し完治しました。そこで加害者の損害保険会社と示談交渉をしたのですが、私が交通事故の本を読んで算定した損害賠償請求額に比べて、損保会社が提示した賠償額が少ないように思われます。本から算定した賠償額と損保会社が提示した賠償額ではなぜ大きな差が出るのでしょうか。【栃木・T生】

A

裁判所基準採用で高額に 保険はより低い基準使う

 損害賠償額算定で実際に提示された額と大きく異なるからといって、交通事故の本にはウソが書かれているというわけではありません。

 交通事故の損害賠償額を算定する基準(方法)として、「自賠責保険基準」「任意保険基準」「裁判所(弁護士会)基準」の3つがあります。損害保険会社が算定の基準としているのは「自賠責保険基準」か「任意保険基準」ですが、両方とも「裁判所(弁護士会)基準」よりかなり低い基準になっています。…

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2019.07.12

誰に賠償請求できるのか 知人の車へ同乗中事故

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  • 交通事故処理
Q

 私Aが、知人Bの運転する自動車に同乗していたところ、交差点においてCが運転する対向車と衝突し、怪我をしてしまいました。Bにも不注意があったことから、過失割合はBが3割、Cが7割であると説明されました。私は、治療費や慰謝料をBとCそれぞれに対してどれだけ請求することができるのでしょうか。【愛知・K生】

A

双方に全額請求が可能 「共同不法行為」の関係に

 交通事故によって怪我をしてしまった場合、治療費や慰謝料等の損害の賠償を、加害者に対して請求することができます。

 法律上は、①民法709条で定められた不法行為に基づく損害賠償責任、または②自動車損害賠償保障法3条に基づく運行供用者責任の追求として損害賠償を求めるということになります。「運行供用者責任」とは、不法行為責任の特則ともいわれるもので、加害者が運行供用者(加害者が他人の自動車や業務用車両を運転していた場合における車の所有者など)に該当する場合に、故意・過失等の立証責任を転換しているものですが、これらの点を除き基本的枠組みは同じなので、本稿では不法行為を前提に説明をします。…

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2019.06.28

過失割合は低くできるか 急停止した前の車に追突

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Q

 マイカーで走行中、前方を走っていた自動車が急停止したために追突し、人身の被害はありませんでしたが、それぞれの車に損害が生じました。急停止の理由は猫が飛び出してきたとのことで、相手の自動車の保険会社は私のほうに100%の過失があると主張しています。調停などによって100%の過失割合が低くなる可能性はあるでしょうか。【新潟・Y社】

A

必要ない急停止は相殺も 緊急性があったか検討を

 この相談の追突事故で関わってくる道路交通法は24条「急ブレーキの禁止」と26条「車間距離の保持」です。24条の「急ブレーキの禁止」は「車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、またはその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない」です。この24条違反の、理由のない急ブレーキをかけたために…

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2019.06.13

運転者の過失はどの程度 携帯電話の「ながら運転」

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Q

 交通事故に遭い、加害者に損害賠償を請求したいと考えています。事故の主たる原因は、加害者が携帯電話を操作しながら運転していたことによるものとされていますが、私にも一定程度の過失があるとされ、過失相殺が問題となりそうです。いわゆる「ながら運転」を行っていた加害者の過失は、損害賠償請求に当たって、どのように考慮されるのでしょうか。【長野・R社】

A

重過失で加害者に20%増 事故増加につき厳罰化へ

 交通事故の当事者双方に何らかの落ち度(過失)がある場合、損害の公平な分担の観点からそれぞれの落ち度を考慮して損害賠償額を定めます(過失相殺)。

 過失相殺に当たっては、事故状況から道路交通法上の優先関係など考慮して、双方の過失割合を判断することとなりますが、事故の一方当事者に著しい過失や重過失がある場合には、その過失割合が上方修正されます。「著しい過失」がある場合は10%程度、「重過失」がある場合には20%程度を加算し、その過失割合を修正するのが一般的ですが、携帯電話を操作しながら運転していたことが、このいずれかに当たるかが問題となるでしょう。…

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