『退職勧奨』の労働実務相談Q&A

2022.07.15 【雇用保険法】

退職届出せば自己都合? 解雇してほしいと要望 失業給付の上乗せねらい

キーワード:
  • 解雇
  • 退職勧奨
Q

 問題がある従業員に退職を勧奨したところ、雇用保険の所定給付日数を多くしたいため、退職届等を出すつもりはなく解雇してほしいといいます。さらに、解雇でも「自分に落ち度はない」といいます。本人の希望を聞く形で解雇すべきでしょうか。【静岡・R社】

A

「特定受給」に該当可能性

 基本手当が何日支給されるかは、所定給付日数が何日あるかで決まります(雇保法22条)。解雇等で離職し特定受給資格者に該当すれば、自己都合退職と比べて給付日数は上乗せされます(雇保法23条2項)。たとえば、35歳以上45歳未満で、算定基礎期間(被保険者として雇用された期間)が10年以上20年未満のとき、自己都合退職が120日のところ、特定受給資格者は倍の240日といった具合です。単純に2倍になるわけではありませんが、こうした差があります。

 特定受給資格者になり得る解雇には、…

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2021.11.05 【労働基準法】

自己都合としても良いか? 退職時証明求められ 実際は成績不良で勧奨

キーワード:
  • 労務一般関係
  • 退職
  • 退職勧奨
Q

 以前、当社に勤めていた従業員から、退職時証明の交付依頼がありました。手続きを進めるうえで、当時の上司に確認したところ、「成績不良のため、本人に退職願の提出を求めた」ということです。従業員ご本人のためを思えば、自己都合と記載したいところですが、後から「勧奨の事実を隠していた」といわれる心配もあります。どのように対応するのが良いのでしょうか。【長野・R社】

A

合意内容確認して記載を

 退職願は、基本的に個人的な事情等により、従業員本人が自主的に提出するものです。しかし、会社からの働きかけによるケースもあります。

 退職勧奨はその名のとおり、勧奨であって強制ではありません。会社が退職を勧めることは自由ですが、従業員が拒否すれば、それ以上の不当な強要は許されません。あくまで、本人の判断により、退職という決定がなされます。

 お尋ねのケースで、上司の方は、「退職願の提出を求めた」という認識のようです。しかし、話合いの実態をキチンと確認する必要があります。…

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2020.11.28 【雇用保険法】

退職勧奨で給付制限は? 本人自主的に届け出る

キーワード:
  • 基本手当
  • 特定受給資格者
  • 退職勧奨
Q

 職場になじまない従業員がいて、退職勧奨を検討しています。話し合いの結果、本人が自主的に退職願を提出したとします。この場合、すぐに基本手当を受給できるのでしょうか。それとも、給付制限の対象となるのでしょうか。【茨城・K社】

A

本人都合の制限が「短縮」 特定受給資格に該当も

 雇用保険の基本手当は、離職者がハローワークに求職の申込みをし、待期期間(7日間)が経過した後に、支給がスタートします。しかし、①自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇、②正当な理由のない自己都合退職の場合には、給付制限が課されます。

 従業員の能力・性格等が仕事・職場に適合しないという場合、…

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2020.03.27 【労働基準法】

退職証明で見解の相違!? 本人意思尊重するべきか

キーワード:
  • 労務一般関係
  • 退職勧奨
Q

 退職時の証明書を交付するに当たって、従業員との間で見解の相違が生じています。会社は諭旨退職であると考えているのに対し、本人は退職勧奨と主張しています。この際、トラブルなく辞めてもらうことを考えたとき、本人の気が済むように記載した方がいいのでしょうか。【神奈川・T社】

A

使用者主導で書くべき 虚偽記載には罰則あり

 労基法22条では、労働者が、退職の場合において、証明書を請求した場合、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならないと規定しています。同条1項が退職時の証明なのに対し、2項は解雇理由の証明ということになっています。

 同条1項の退職時の証明書の記載事項には、①使用期間、②業務の種類、③その事業における地位、④賃金および退職の事由です。例えば、今後転職する際に経歴などを確認する目的で提出を求められることもあり得ます。そして、③は、「単に職名、役付名等のみでなく、その責任の限度を明確にすべき」です。…

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2019.01.30 【雇用保険法】

「早期退職」は会社都合? 所属部署縮小で打診あり

キーワード:
  • 退職勧奨
Q

 会社の業務再編で、私の所属部門は漸次、縮小される予定です。人事部の方から、「他の部署に異動するか。それとも、早期退職優遇制度を利用して退職するか」と今後の意向を打診されました。早期退職を選択した場合、会社都合の退職になるのでしょうか。【秋田・N生】

A

退職勧奨の有無等で判断 常設制度利用は自己都合

 「会社都合の退職だと、雇用保険の給付日数が延びる」といわれます。

 雇用保険の用語を使うと、「特定受給資格者または特定理由離職者(本人の意思に反して雇止めになった場合に限ります)に該当すれば、一般の離職者とは異なる所定給付日数表(日数面で優遇あり)が適用される」という表現になります。

 早期退職優遇制度に応募した場合、3パターンの処理が考えられます。…

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