『特別加入』の労働実務相談Q&A

2024.03.15 【労災保険法】

フリーランスの補償範囲は? 請負契約等を締結検討 特別加入対象が拡大で

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  • 特別加入
  • 通勤災害
Q

 業務委託や請負で働いてもらうときですが、自社の従業員とは異なり、ケガなどをしても基本的には本人の責任だと思います。いわゆるフリーランスに関して、令和6年の秋ごろに特別加入が可能になるということですが、業務上に限らず通勤途上の災害も補償対象になるのでしょうか。【大阪・F社】

A

業務上に限らず通災も

 労災保険は、事業に使用される「労働者」の保護を目的とする制度で、事業主や自営業者など労働者でない者の災害は、保護の対象ではありません(労災法1条)。しかし、一定の者については、特別に任意に加入することを認め、一定の災害について保険給付等の対象としています(法33条)。

 特別加入が認められる「一人親方その他の自営業者が行う事業に従事する者」(法33条3号)の範囲に、いわゆるフリーランス法2条1項に規定する特定受託事業者(労災則46条の17第12号)が加わります(令6・1・31厚生労働省令22号)。保険料率は、0.3%です。なお、施行日は、フリーランス法の公布の日(令5・5・12)から起算して1年半を超えない範囲で政令で定める日となっています。

 特別加入者は、…

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2021.10.27 【労災保険法】

自転車配達の事故補償は 特別加入制度教えて

キーワード:
  • 特別加入
Q

 自転車を使った配達業が盛んですが、配達の人たちは発注者と雇用関係にないため、事故が起きた場合に労災が適用されないと聞きました。バイク、原付、軽貨物車両登録の場合は労災の特別加入制度が利用できるようです。自転車の配達員はかなりの数に上っているようですが、救済制度は検討されないのでしょうか。【千葉・T社】

A

9月1日から対象者拡大 運転や積卸し中にケガ

 労災保険は、労働者の業務や通勤による災害に保険給付を行うことを基本とする制度ですが、労働者以外であっても、労働者と同じ程度に保護することが必要な一定の人たちにも特別に労災保険に任意で加入することを認めています。すなわち「特別加入制度」です。また、従業員を雇用していない場合は、一人親方の労災保険に特別加入することも可能です。

 この度、厚生労働省は、令和3年9月1日を施行日として、「自転車を使用して行う貨物の運送の事業」「情報処理システムの設計等の情報処理に係る作業(ITエンジニア)」を行う労働者以外の者について、労災保険の特別加入制度の対象範囲とするとしました。飲食宅配に携わる自転車配達員は国内に約9万人、ITエンジニアは約17万6000人いると推計され、今後の就業上の安心につながるものと期待されています。一方、加入が任意であることから、働き手が自ら保険料を負担するため、利用が広がらないことも懸念されています。

 特別加入では、働き手があらかじめ3500円から2万5000円の範囲で「給付基礎日額」を設定し、保険料はこれに乗じる保険率で決まる制度となっています。保険率は仕事の危険度により、宅配代行業は1000分の12、ITエンジニアは1000分の3とされています。

 詳細をみてみましょう。…

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2021.10.11 【労災保険法】

特別加入遡及できるか 65歳以上など範囲拡大

キーワード:
  • 特別加入
Q

 フリーランスと契約する場合の労災補償ですが、最近は特別加入の範囲が拡大しているといいます。IT関係や65歳以上の創業支援等措置などが対象になりましたが、契約期間中に発生した事故であれば、遡って加入することは可能でしょうか。【愛知・N社】

A

届出前の事故は給付対象外

 創業支援等措置は、65~70歳までの就業確保措置のうち、業務委託契約の締結など雇用によらない措置を指します。

 特別加入団体を通じて加入手続きをすることで、特別加入者は労働者とみなされ、…

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2021.07.13 【健康保険法】

事業主の業務上災害は? 法人移行後も5人未満

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  • 特別加入
  • 社会保険
Q

 個人事業主が、法人形態に会社組織を改める予定です。従業員数を増やすわけではなく、法人移行後も5人未満の状態のままです。この場合、社長は、業務上の災害であっても、健保の利用が可能と考えます。事業主は「労災保険の特別加入は不要」という意見ですが、どうなのでしょうか。【長崎・G社】

A

引き続き健保利用が可能 労災と給付内容異なる

 法人形態の場合、業種・従業員数を問わず、健保の適用事業所となります。代表取締役も被保険者となりますが、「被保険者またはその被扶養者が法人の役員である」場合、法人の役員としての業務に起因する傷病は、健保の保険給付の対象になりません(健保法53条の2)。

 ただし、…

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2021.07.12 【労災保険法】

特別加入で休業補償は 65歳からの就業確保

キーワード:
  • 休業補償
  • 特別加入
Q

 65歳以降を業務委託等も可能としたときですが、労災保険は特別加入を勧めようと考えています(令3・4・26日付本紙3302号16面)。特別加入者が丸々1カ月休むと、保険給付は何日分出るのでしょうか。【三重・G社】

A

「労務不能」期間に支給

 65歳からの就業確保措置(努力義務)として、フリーランス契約等も選択肢の1つとなっています(高年法10条の2第2項)。労働者ではありませんが、特別加入が可能な事業となっています(労災則46条の17第9号)。保険料率は0.3%です。

 特別加入するときには、1日当たりの…

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