『割増賃金』の労働実務相談Q&A

2024.02.27 【労働基準法】

“代休”取得で割増賃金は 休日労働として支払うか

キーワード:
  • 代休
  • 割増賃金
  • 賃金関係
Q

 先日、休日に労働させることが必要になり、従業員と相談して別の日を休日としました。ところが労働者から、“代休”を取ったのに休日労働としての割増賃金が支払われていないと言われました。改めて、代休と割増賃金の考え方を教えてください。【福岡・O社】

A

休日の振替なら労働日に 時間外へ注意が必要

 広い意味で“代休”とは、当初休日の日に出勤し別の労働日に休日を取得することを指しますが、労基法上は、休日の振替と代休という2つの異なる概念があります。

 まず、休日の振替についてです。これは、あらかじめ休日と定められている日を労働日とし、代わりに他の労働日を休日とするものです(昭23・4・19基収1397号)。休日と労働日の交換で、当初休日だった日は労働日となります。このため、同日に労働させた場合、もともと労基法35条の法定休日だったとしても、休日労働に対する割増賃金は発生しません。ただし、通常の労働日の労働として、…

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2024.01.29 【健康保険法】

月8.8万円に含むか 深夜割増を含む手当

キーワード:
  • 割増賃金
  • 社会保険
Q

 深夜帯に従事する従業員に割増賃金を含めた手当を支払っています。今後、社会保険の適用拡大の対象となった際、月8.8万円に算入するのでしょうか。【福井・D社】

A

通常の賃金と区分必要

 令和6年10月以降、常時50人を超える企業に社会保険の適用範囲が拡大されます。適用拡大により被保険者資格を取得するのは、4要件を満たす者です。報酬月額が8万8000円以上であることが要件の1つとなっています。この額には「最低賃金法で賃金に算入しないものに相当するもの」は含みません。たとえば、…

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2023.12.15 【労働基準法】

裁量制で深夜帯勤務どうする 割増賃金が必要に 業務配分指示できない

キーワード:
  • 割増賃金
  • 労働時間関係
Q

 専門業務型裁量労働制について、あらかじめ定めた時間働いたものとみなす制度と認識しています。時間外の割増賃金は基本生じない一方で、深夜の割増賃金は必要といいます。制度を適用するには労働者に具体的な指示はできないはずですが、深夜割増については、どのように処理したら良いのでしょうか。【大阪・S社】

A

労働時間の状況把握を

 専門業務型裁量労働制は、各日の実際の労働時間によるのではなく、労使協定で定めた時間働いたものとしてみなす制度です(労基法38条の3)。

 時間配分の決定は、対象労働者に委ねられる形です。始業や終業の「いずれか一方」でも指示すると対象業務に該当せず(令5・8・2基発0802第7号)、労使協定でもその旨定める必要があるとしています(厚生労働省「専門業務型裁量労働制の解説」)。

 みなし労働時間を1日当たり9時間と定める場合で午後10時まで作業しても、…

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2023.11.24 【労働基準法】

フレックスで2暦日勤務? 割増賃金計算どうなる 始業開始時刻まで通算か

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 割増賃金
  • 時間外労働
  • 賃金関係
Q

 フレックスタイム制の対象者で、2暦日にまたがって勤務した従業員がいました。当社では、深夜帯にまたがる場合は許可制にしているのですが、2暦日にまたがる労働時間通算のルールだと残業は、「コアタイムの開始時刻まで」、「フレキシブルタイムの開始時刻まで」のどちらが正しいのでしょうか。【大阪・R社】

A

残業は清算期間の枠みて

 継続した労働が2暦日にわたるとき、1勤務として取り扱うのが原則です(昭23・7・5基発第968号)。時間外労働の割増賃金の計算は、所定労働時間の始期までの超過時間に対して支払えば違反にならないという解釈が示されています(昭26・2・26基収3406号)。

 フレックスタイム制では、労使協定において、コアタイム(労働者が労働しなければならない時間帯)を定める場合には、「その時間帯の開始及び終了の時刻」、フレキシブルタイム(労働者がその選択により労働することができる時間帯)を定める場合には、「その時間帯の開始及び終了の時刻」を規定します(労基則12条の3)。…

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2023.09.12 【労働基準法】

深夜割増も対象になるか 代替休暇の制度を教えて

キーワード:
  • 割増賃金
  • 労使協定
  • 時間外労働
  • 賃金関係
Q

 月60時間超の時間外労働に対する割増賃金の猶予が切れ、さらに業務も忙しくなってしまったことが重なって、想像以上に賃金の支払いが増えそうです。代替休暇という仕組みがあるようですが、改めて、どのような制度か教えてください。また、深夜労働の割増分についても、対象となるのでしょうか。【長野・W社】

A

法定どおりなら含まれず 追加割増分で時間計算

 時間外労働をさせると割増賃金の支払いが必要になります。法定割増賃金率は25%です(労基法37条1項)。ただし、時間外が月60時間を超えると50%となります(1項ただし書き)。60時間超の部分は、法定割増率が引き上がった分だけ追加的な支払いが必要になるといえますが、この追加分に代え、有給の休暇である「代替休暇」を与えることもできるとしています(3項)。

 導入には労使協定の締結が必要です(届出不要)。締結事項は、代替休暇として与える時間数の算定方法、代替休暇の単位(1日・半日)、付与できる期間(60時間を超えた月の末日から2カ月以内)、取得日の決定方法および割増賃金の支払日などです。…

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