『代休』の労働実務相談Q&A

2024.02.27 【労働基準法】

“代休”取得で割増賃金は 休日労働として支払うか

キーワード:
  • 代休
  • 割増賃金
  • 賃金関係
Q

 先日、休日に労働させることが必要になり、従業員と相談して別の日を休日としました。ところが労働者から、“代休”を取ったのに休日労働としての割増賃金が支払われていないと言われました。改めて、代休と割増賃金の考え方を教えてください。【福岡・O社】

A

休日の振替なら労働日に 時間外へ注意が必要

 広い意味で“代休”とは、当初休日の日に出勤し別の労働日に休日を取得することを指しますが、労基法上は、休日の振替と代休という2つの異なる概念があります。

 まず、休日の振替についてです。これは、あらかじめ休日と定められている日を労働日とし、代わりに他の労働日を休日とするものです(昭23・4・19基収1397号)。休日と労働日の交換で、当初休日だった日は労働日となります。このため、同日に労働させた場合、もともと労基法35条の法定休日だったとしても、休日労働に対する割増賃金は発生しません。ただし、通常の労働日の労働として、…

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2023.05.26 【労働基準法】

代休取得日の指定方法は? 本人希望で付与決定 年休なら時季変更あるが

キーワード:
  • 代休
  • 労務一般関係
Q

 当社では休日出勤に対して代休を付与する仕組みにしています。取得するかどうかは、本人任せにしています。特定の日に代休取得の希望が重なって、会社が困ることがありました。代休の与え方として、会社が指定すべきだったのでしょうか。【岡山・A社】

A

会社承認が必要と規定

 年次有給休暇であれば、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合の時季変更の仕組みがあります。

 暦の関係で休日が飛び石になっているときに、代休等の取得希望が重なってしまうこともあるかもしれません。代休は法律上当然に付与が求められているものではないため(昭23・4・9基収1004号)、ルールを決めることが可能です。取得日を本人の希望によるという方法もあれば、会社が指定する方法もあります。なお、「いずれの場合であっても労働者の一方的指定のみによる代休の成立を認めるものとは通常解され(ない)」とした見解があります(安西愈「新しい労使関係のための労働時間・休日・休憩の法律実務」)。たとえば、…

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2022.10.14 【労働基準法】

代替休暇にできない? 月60時間の5割増回避 残業時間数が不足して

キーワード:
  • 代休
  • 賃金関係
Q

 月60時間を超える時間外労働に対する代替休暇は、半日も認められているといいます。割増賃金を休暇に換算する際に、半日を4時間としたとき16時間相当の残業が必要になる計算です。この時間数に満たないときですが、代替休暇として活用するにはどのような方法があるのでしょうか。【福岡・K社】

A

賃金支払う休みとセット

 当欄では、令3・11・1付3327号令3・11・22付3330号で代替休暇を取り上げました。換算率は法定どおりの割増率を基準に25%(50%―25%)で考えてみます。

 代替休暇は1日または半日で付与するので、1日の所定労働が8時間なら4時間が最低の付与単位です。4時間の休暇を取得した場合、60時間を超える時間外のうち、16時間分の割増率が50%から25%に下がります。…

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2022.09.02 【労働基準法】

代休取得日を欠勤処理? 年休の8割以上算定 出勤みなし規定へ含まず

キーワード:
  • 代休
  • 休憩・休日関係
  • 年次有給休暇
Q

 休日を振り替えたり、代休を取得した場合の年次有給休暇の出勤率の計算でよく分からなくなりました。たとえば、代休は休日出勤の代償としての休みですが、一般的に休暇日をどう処理するかは会社の決め方次第のところがあるかと思います。法律上出勤したものとみなす扱いにはなっていないようで、どのように考えれば良いのでしょうか。【神奈川・O社】

A

休日と同様に取扱いも

 年次有給休暇は、雇入れの日から6カ月(勤続6カ月以上は1年)の出勤率が8割以上のときに、権利が生じます。出勤率は、出勤日数(分子)を全労働日数(分母)で除して求めます(労基法39条1項)。分母の全労働日数について、解釈例規(平25・7・10基発0710第3号)では、就業規則等その他で定められた「所定休日を除いた日をいう」としています。「所定の休日に労働させた場合」も、その日は全労働日に含まれません。なお、各労働者の職種が異なること等により(全労働日が)異なることはあり得ます。…

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2022.01.27 【労働基準法】

代休取らず賃金未払いか 残業代清算済みというが

キーワード:
  • 代休
  • 割増賃金
  • 賃金関係
Q

 他社で勤務する友人が、休日出勤が重なり「代休がたまっている」といいます。ただ、週1日の休日は確保され、かつ、時間外労働時間数として計上しており割増賃金は支払われているようだともいいます。代休が未消化の場合は、一般的に賃金未払いの状態が生じる可能性があるといいますが、このケースはどのように考えればいいのでしょうか。【福岡・N社】

A

100%部分不足の可能性 賃金支払期間またぐことも

 代休とは、本来の休日に労働したことの代償として、本来の労働日に休業することをいいます。本来の休日の労働は休日労働のままです。

 休日が、労基法35条で定める週1日の休日であれば、労基法37条および割増率を定める政令(平6・1・4政令5号)に基づき、通常の労働時間の3割5分以上の割増賃金を支払う必要があります。週1日の休日が確保されている場合でも、法32条で定める週40時間を超えて労働した時間には、時間外割増賃金として通常の労働時間の2割5分以上の割増賃金を支払う必要があります。

 労基法コンメンタールでは、…

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