『リスクアセスメント』の労働実務相談Q&A

2024.02.27 【労働安全衛生法】

実施の基準などを教えて リスク評価対象物健診で

キーワード:
  • リスクアセスメント
  • 化学物質管理
Q

 化学物質の自律的管理の一環で、リスクアセスメント対象物を取り扱う労働者に対して行う健康診断が令和4年の法令改正で導入されました。今年4月1日に施行されますが、この健診の概要や実施のタイミングなど教えて下さい。【千葉・F社】

A

ばく露防止対策勘案する 作業に変化あれば再判断

 事業者、労働者、産業医等に対して、基本的な考え方や留意すべき事項を示した「リスクアセスメント対象物健康診断に関するガイドライン」(以下、GL)が策定されています(令5・10・17基発1017第1号)。このGLに基づいて説明します(以下、条文は令和6年4月1日以降の番号)。

1.制度の概要

 リスクアセスメント対象物健康診断とは、事業者による自律的な化学物質管理の一環として行うもので、リスクアセスメントの結果に基づく健康診断です。次の2種類があります。

(1)第3項健診(ばく露による健康障害リスクの高い労働者が対象)

 リスクアセスメント対象物を製造したり取り扱ったりする業務に常時従事する労働者のうち、…

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2023.12.01 【安全管理】

アスファルトに有害性? 化学物質該当でどう管理

キーワード:
  • リスクアセスメント
Q

 アスファルトの化学物質管理で注意する点には何があるでしょうか。有害性に関して教えてください。【兵庫・N社】

A

高温時は蒸気やヒューム 常温でも皮膚ばく露回避

1.アスファルトの有害性

 アスファルトはリスクアセスメント対象物質に指定されています(安衛令別表第9)。アスファルトの危険有害性に関する情報は国が作成したSDSに記載されており、状態によって想定される有害性が異なることが分かります(※1)。常温では、…

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2023.10.31 【安全管理】

危険区域どう設定するか 電子機器の防爆仕様

キーワード:
  • リスクアセスメント
Q

 化学工場等において危険区域を設定するうえで、電子機器の防爆仕様について、リスクをどう評価しますか。合理的な方法があれば教えてください。【新潟・N社】

A

5段階でリスクアセスを 高い換気と有効度がカギ

 化学工場では、設備の経年劣化、熟練者の減少等のリスク増に対応するために、センサーやタブレット機器、ウェアラブル端末等を活用して、設備の故障やヒューマンエラーを防ぐ取組みを進める必要があり、電子機器の利用ニーズが高まっています。

 しかし、引火性の蒸気または可燃性ガスが爆発の危険のある濃度に達するおそれのある区域(危険区域)においては、電子機器等の利用が労働安全衛生法令等により制限されます。事業者は、「工場電気設備防爆指針」等に基づき危険区域を設定します。

1)危険度区域の設定

 連続的または通常運転中に爆発性の雰囲気が連続的に存在するゾーン0と通常でも時々生成する可能性があるゾーン1では、非防爆機器の使用は認められていませんが、爆発性の雰囲気が短時間でしか持続しない区域ゾーン2では、広めに設定されることが多いことから、リスクを合理的に評価することにより非危険領域を把握します。ここで非危険領域に設定された区域では、電子機器の使用制限はなくなります。…

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2023.09.26 【労働安全衛生法】

リスク評価後の対応は? 必要な措置いつから開始

キーワード:
  • リスクアセスメント
Q

 安衛則577条の2が新設されました。今年、来年と2段階で施行され、リスクアセスメント対象物質に関する事業者の義務が追加されます。具体的にどのタイミングで規制が進められていくのか、理解促進のため、改めて整理をお願いいたします。【熊本・W社】

A

来年から濃度基準適用に 健康診断実施も要求され

 リスクアセスメント対象物は、安衛令18条各号に掲げる物および安衛法57条の2第1項に規定する通知対象物(具体的には、令別表第3第1号および令別表第9に示されている物)として定義されています(以下、「対象物」)。その数は令和5年4月時点で674物質です。ラベル・SDSによる伝達義務に加え、リスクアセスメントの実施義務が課せられています。さらに、新設された安衛則577条の2で、ばく露レベルを最小限とする義務も加わります。なお、…

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2023.03.28 【労働安全衛生法】

新たに設けられた資格は 化学物質で政・省令改正

キーワード:
  • リスクアセスメント
  • 作業環境管理
Q

 職場における化学物質の新たな規制が導入されます。自律的な管理を進める担当者として、化学物質管理者、保護具着用管理責任者等の選任、活用が必要になりました。それぞれの役割等について教えてください。【愛知・R社】

A

化学物質管理者など4種 製造なら講習修了者を選任

 令和4年の安衛令と安衛則の改正で、化学物質の管理方式に変更がありました。従来は、危険・有害性の高い化学物質をリストアップして管理する方式、つまり、例えば特定化学物質障害予防規則(特化則)や有機溶剤中毒予防規則(有機則)等といった安衛法の特別則による個々の規制方式(法令順守型)を採っていました。改正による変更は、事業者による自律的な管理の方式に移行しようとするものです。国際的に統一された化学物質の分類・表示基準であるGHS情報を基礎とするSDS(安全データシート)などの情報を譲渡・提供元が使用する事業者に提供し、これを活用したリスクアセスメントを実施したり、この結果に基づくばく露低減措置を講じたりすることなどを通じた管理を基本とします。

 これは、わが国で輸入、製造、使用…

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