『フレックスタイム制』の労働実務相談Q&A

2024.03.27 【労働基準法】

実労働時間は引き継ぐか 清算期間途中の異動なら

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 労働時間関係
Q

 育休中の従業員が来月復職予定でしたが、保育園の関係で育休延長となりました。隣の県の事業場の者を異動させようと検討中です。そちらも当事業場も清算期間が3カ月のフレックスタイム制ですが、清算期間途中の異動の場合、実労働時間は通算しますか。【石川・O社】

A

事業場ごとに途中清算を 適用日数で法定総枠求める

 フレックスタイム制は、始業および終業の時刻を労働者の決定に委ねる制度です(労基法32条の3)。導入には労使協定の締結が必要で、清算期間(労働者が労働すべき時間を定める期間)などを規定します。清算期間は3カ月以内です。

 労基法上、時間外労働となるのは、清算期間において、①実労働時間が法定労働時間の総枠(週平均40時間)を超えた部分です。これは清算期間終了月の時間外労働と扱われます。清算期間が1カ月超のときは、…

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2024.03.12 【労働基準法】

フレックスだがどう通算 副業先は通常どおりなら

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 副業・兼業
  • 賃金関係
Q

 求人を出したところ、すでに別の会社で働いているという人から応募があり、能力的にはぴったりです。当社は変形労働時間制などではなく、通常どおりの労働時間制ですが、向こうはフレックスタイム制といいます。労働時間の通算はどのように考えますか。【神奈川・S社】

A

法定の総枠と仮定をする カウントする順番異なる

 以下、時系列的に先に労働者と労働契約を締結した使用者をA、後をBとします。最初に、AもBも通常の労働時間制の場合を説明します。通算の考え方は、最初にAの所定労働時間、Bの所定労働時間の順で通算し、次にA・Bの所定外労働時間を発生した順番に足していきます。法定労働時間を超過した部分のうち、自らの事業場で発生した部分が割増賃金の対象となります(厚労省「副業・兼業ガイドライン」)。

 続いて、Aでフレックスタイム制の適用を受けており、Bが通常の労働時間制のパターンです。Aにおいて所定労働時間のような「固定的な労働時間」が定まっておらず、…

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2024.03.04 【育児・介護休業法】

1日6時間超えは? 育児時短のフレックス

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 短時間勤務
Q

 3歳未満の子を養育し時短勤務している従業員から、フレックスタイム制の適用を認めてほしいとの声が出ました。育介法の短時間勤務は原則として1日6時間にする必要がありますが、フレックス制でも1日でみて「超えられない壁」があるのでしょうか。【新潟・S社】

A

総労働時間で平均可能

 育介法上の短時間勤務をする従業員に、労基法のフレックス制を適用することも可能です(平30・7・30雇均職発0730第1号)。所定労働時間の短縮は、「1日の所定労働時間を原則として6時間」(育介法23条、育介則74条)とする必要があります。

 フレックス制は、…

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2023.11.28 【労働基準法】

総枠で時間外計算可能か 177時間超過部分を対象

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 労働時間関係
  • 変形労働時間制
  • 時間外労働
Q

 変形労働時間制やフレックスタイム制における法定労働時間の総枠の考え方を使うと、1カ月において週平均40時間となる時間数を計算できます。当社はどちらでもありませんが、この考え方を用いて、月の実労働時間数を合計し総枠との差を取ることによって時間外労働の時間数を計算することはできないのでしょうか。【熊本・S社】

A

通常の制度なら日と週で フレックスや変形制とは別

 変形労働時間制やフレックスタイム制では、後述のように、法定労働時間の総枠という考え方が出てきます。同制度では、確かにこの総枠を超過した部分は法定外労働時間(時間外労働)となりますが、厳密には、採用する労働時間制度によって、どこが時間外労働となるかは異なります。

 1日8時間、週40時間という法32条の原則的な労働時間制の場合は、…

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2023.11.24 【労働基準法】

フレックスで2暦日勤務? 割増賃金計算どうなる 始業開始時刻まで通算か

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 割増賃金
  • 時間外労働
  • 賃金関係
Q

 フレックスタイム制の対象者で、2暦日にまたがって勤務した従業員がいました。当社では、深夜帯にまたがる場合は許可制にしているのですが、2暦日にまたがる労働時間通算のルールだと残業は、「コアタイムの開始時刻まで」、「フレキシブルタイムの開始時刻まで」のどちらが正しいのでしょうか。【大阪・R社】

A

残業は清算期間の枠みて

 継続した労働が2暦日にわたるとき、1勤務として取り扱うのが原則です(昭23・7・5基発第968号)。時間外労働の割増賃金の計算は、所定労働時間の始期までの超過時間に対して支払えば違反にならないという解釈が示されています(昭26・2・26基収3406号)。

 フレックスタイム制では、労使協定において、コアタイム(労働者が労働しなければならない時間帯)を定める場合には、「その時間帯の開始及び終了の時刻」、フレキシブルタイム(労働者がその選択により労働することができる時間帯)を定める場合には、「その時間帯の開始及び終了の時刻」を規定します(労基則12条の3)。…

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