『落語』の労働関連コラム

2023.03.09 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第9回 『寄席育ち』三遊亭 圓生 著/三遊亭 楽麻呂

芸道の極地ありありと  人にはそれぞれバイブルと呼べる一冊があるように思う。キリスト教文化圏の人々にとっては文字どおり『聖書』であるし、進化生物学者にとっては『種の起源』、また麻雀好きにとっては阿佐田哲也の『麻雀放浪記』かもしれない。そして私にとってのバイブルはまさにこの『寄席育ち』である。職業落語家だけでなく近代日本史研究者から一般の読……[続きを読む]

2022.05.03 【書評】
【見逃していませんか?この本】なんと解説は高校生のご長男!!/春風亭一之輔『いちのすけのまくら』

 「ああ、やれやれ。まだまだ今週は長いな」と感じる火曜日に、一服の安らぎを感じるのが、『週刊朝日』で2014年から続く連載「ああ、それ私よく知っています。」だ。筆者は、人気落語家で若手真打の春風亭一之輔で、テレビやラジオへの出演も少なくない。もしかすると、1度目の緊急事態宣言の際に、寄席のトリに代えて行ったYouTubeでの配信でご存知に……[続きを読む]

2020.05.05 【書評】
【見逃していませんか?この本】10時間超のインタビュー! 入門30周年を記念して/柳家喬太郎『柳家喬太郎バラエティブック』

 「チケットの取れない」と評される落語家のうちの一人、柳家喬太郎の入門30周年を記念してまとめられたのが本書。10時間を超えるインタビュー、100問100答のQ&A、過去に『東京かわら版』に掲載したインタビューの再録――などがたっぷりと収められている。  インタビューでは幼少期から現在に至るまでのあれこれをたっぷりと。高座……[続きを読む]

2017.07.06 【書評】
【見逃していませんか?この本】「まくらで語られるのは、あの子か!」/春風亭一之輔、キッチンミノル『春風亭一之輔の、いちのいちのいち』

 2012年、異例の21人抜きで真打に昇進し、高座のみならずラジオなどで幅広く活躍している春風亭一之輔師匠。最近はNHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』や『サンデージャポン』に出演しており、そこで初めて知ったという方もおられよう。 毎日のように寄席に出演し、都内・地方を問わず独演会、落語界への出演も引きも切らない。この飛ぶ鳥を落とす勢……[続きを読む]

2016.10.08 【書評】
【見逃していませんか?この本】爆笑派落語家の初エッセー集/瀧川鯉昇『鯉のぼりのご利益』

 私が落語にどっぷりと首ったけになった理由の1つが、瀧川鯉昇師匠の落語を聴いたからである。飄々とした語り口から「まくら」をいくつも振り、やがて本題へ。気付けば爆笑に次ぐ爆笑で、心が安らぐのだ。安心して身を委ねて笑うことができる師匠で、初めて落語を聴くという人を師匠の出演する会に連れていくことも少なくない。 そんな鯉昇師匠が初めて上梓した自……[続きを読む]

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