最大347万円払わず 退職金不払いで鉄工製缶業者を送検 北九州西労基署
福岡・北九州西労働基準監督署は、労働者17人に対して退職金を支払わなかったとして、鉄工製缶業者の伸栄工業㈱(福岡県北九州市戸畑区)と同社代表取締役を労働基準法第24条(賃金の支払い)違反の容疑で福岡地検小倉支部に書類送検した。同社は平成28年5月末に、経営不振を理由に事実上の倒産をしており、退職金不払いの理由となっている。
同社では、「共済」と「会社独自」の2段構えの退職金を用意していた。このうち、会社独自の退職金全額を支払っていない。不払い金額の合計は1400万円に達している。なかには、347万円支払われなかった労働者もいた。
同労基署は今年に入り5件、賃金不払い容疑で書類送検している。26年2件、27年3件から増加傾向だ。「赤字体質の企業が、持ちこたえられずに倒産し、賃金不払いとなるケースが多い」と同労基署は見解を示している。
【平成28年11月11日送検】