設備投資を優先し残業代不払い 縫製業者を書類送検 五所川原労基署
2016.10.24
【送検記事】
青森・五所川原労働基準監督署は、労働者に対して残業代を適切に支払わなかったとして、縫製業の㈲ファッションレインボー(青森県西津軽郡鰺ヶ沢町)と同社代表取締役、ならびに同社事務員の計1法人2人を労働基準法第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)違反の容疑で青森地検五所川原支部に書類送検した。設備投資に資金を回すため、残業代を払っていなかった。
同労基署は平成28年5月初旬に、労働者から「残業代が支払われない」と告訴を受けたことから調査を開始した。
強制捜査などを行った結果、同代表取締役は、平成26年2月21日~28年2月20日、労働者18人に対して時間外労働割増賃金総額284万1,193円のうち、約4割に相当する117万2,307円を支払っていなかった。さらに、26年2月21日~28年1月20日までの賃金台帳に記入すべき事項を遅滞なく記入することを怠っている。労働時間などの改竄も行ったという。
また、同代表取締役と同事務員は共謀して、27年10月21日~28年1月20日の、始業・終業時刻などを記入した書類を破棄していた。同書類は法律で3年間の保存が義務付けられている。
同社は、調査のなかで「設備投資に資金を回したかったため、残業代を払っていなかった」と供述している。28年4月末に全社員を解雇し、事業廃止した。
【平成28年9月30日送検】