解体業で連続して墜落死亡災害発生 3業者を一挙に書類送検 大阪中央労基署

2016.10.08 【送検記事】

 大阪中央労働基準監督署管内では平成28年3~5月にかけ、連続して解体工事現場での墜落死亡労働災害が発生している。このため、同労基署は一挙に3事業場を労働安全衛生法違反の容疑で大阪地検に書類送検した。

【平成28年9月23日送検】

派遣労働者が死亡 作業主任者が現場巡視怠る

 西淀川区の建設業者と同社現場責任者は、安衛法第21条(事業者の講ずべき措置等)および同14条(作業主任者)違反の容疑で処分されている。

 同社は5月に労災を起こしている。災害当日は、浪速区内のビル解体現場において、下請企業の労働者にデッキプレートの解体を行わせていた。解体したデッキプレートを地上26.88メートル付近から投げ下ろす作業をさせた際、親綱および安全帯の使用状況を監視しなければならなかったにもかかわらず、これを怠っている。同現場代理人は他社との打合せのため朝の職場巡視をしておらず、安全に対する指導がおよばなかったものとみられる。

 被災者が同社の指揮命令を受けて作業を行っていたことから派遣労働者とみなし、同社を処分している。

作業指揮者の”代役”を定めず

 東大阪市の個人事業主は、安衛法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の容疑で送検された。

 同個人事業主は3月に、3人の労働者とともに鶴見区内において工場建屋の解体を行っていた。個人事業主がガラを処分するため現場を離れている間に、同社労働者が高さ4.51メートルに敷かれたスレート波板を踏み抜き、地上へ墜落して死亡した。同労基署は、個人事業主が現場を離れている間に代わって仕事を仕切る作業指揮者を選任しなかったことが、危険防止措置未実施に当たると判断している。

手すり設置作業で安全帯使用させず

 松原市の建設業者と同社現場責任者は、安衛法第21条(事業者の講ずべき措置)違反の容疑で処分されている。

 同社は4月、中央区のビル解体工事現場で、地階の解体を行おうとしていた。地表から墜落のおそれがあることから、同社労働者に周囲に手すりを設置させていたところ、誤って地下3.45メートルに墜落して死亡している。安全帯を使用させるなどして墜落防止措置を講じるべきだったが、これを怠っていた疑い。

 同労基署は3件立て続けに労災が発生したことから、5月20日~8月末まで、緊急対策として解体現場の安全パトロールを強化したほか、大阪労働局が展開している安全な手すりの設置や安全帯の使用を励行することを内容とする「命綱GO活動」の積極的な普及といった策を講じた。結果、送検日時点で、解体業を含む建設業で1件も死亡災害は発生していないという。

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