不当に勤務日数を減らされたため、元のシフトに戻すよう求めた助言・指導事例

2016.03.27 【助言・指導 あっせん好事例集】
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労働条件引下げ

申出の概要

 申出人X(労働者)は、求人広告を見て応募し、「週5日、1日7時間の労働契約」で学習塾を営むY会社(被申出人)に受付事務職員として入社した。

 ところが、入社2カ月ほどしてから、当初の契約場所と違う県内の各教室への異動を頻繁に命じられるようになった。

 異動場所によっては1日2時間の勤務しか仕事がなかったり、自宅待機の日が続いたり、収入が安定しない日々が続いた。

 当初の契約どおり、「週5日、1日7時間の労働契約」を守るように労働局長の助言・指導を求めたもの。

紛争の背景

 入社時に交付された労働条件通知書は、以下のものであった。

勤務場所:学習塾Y A教室
仕事内容:受付事務
労働時間:9時~ 17 時(休憩13 時~ 14 時)
労働日:週5日勤務(シフト表による)
約定賃金額:時間額900 円
月末締め、翌月5日払い
勤務期間:1年間(自動更新あり)

 しかし、異動を命じられてからは、1日平均3時間の労働となってしまった。

 異動に関しては、適用される就業規則に「配置転換することもあり得る」との記載になっていたが、労働条件通知書には、上記の勤務場所のみの記載であり、異動の件は書いてなかった。

紛争当事者の主張

申出人X(労働者)

 求人広告には、就業場所が「学習塾Y A教室」との記載があり、入社時の面接でも、担当者から異動があるとの話は聞いていなかった。労働条件通知書にも、異動等の記載はない。異動があっても就労日数(週5日)や労働時間(1日7時間)が確保されていれば我慢できたが、異動により就労日数・労働時間ともに半減し、収入は半分ほどになってしまった。

 総務課長に「最初の約束と全然違ってきているし、このままでは収入が安定せず、子どもの学費の支払いに支障を来たしてしまう。何とかしてほしい」と尋ねたところ、「今、教室の統廃合をしているので、しばらくは仕事が減ってしまう。他の人も我慢してやってくれているし、あなただけじゃないよ」との回答であり、納得いく返事が得られなかった。

 当初の契約内容を守ってくれるように助言・指導してほしい。

被申出人Y(事業主)

 当社の就業規則では、「経済状況を反映して勤務場所を変更することはあり得る」との記載があるし、Xに対しては、「当社は県内に教室が十数か所あるので、状況に応じて異動を行うことはあり得る」ことを伝えてあった。

 当初の契約内容については、理解しているので、Xの意向を考慮して、できるだけ早く、従来のシフトに戻すことができるよう対応していきたい。

助言・指導の内容

 就業規則に記載があるものの、労働条件通知書に記載がなく、かつ、労働者の同意がないのに配置転換を行い、結果として就労日数や労働時間数を減らした場合、人事権の濫用として無効とされるおそれがあることを説明し、できるだけ早く、従来の勤務シフトに戻すよう被申出人Yに対して助言・指導した。

結 果

 指導の結果、申出人Xと被申出人Yが話し合いを行い、勤務場所は異動することがあっても、「週5日、1日7時間労働」の契約は遵守することを約束した。


1.配置転換、賃金引下げについて労働者の同意または同意を得る努力をしているか。
 本事案では、被申出人Yが一方的に配置転換、賃金引下げを行っているだけで、申出人Xとの話し合いの機会を設けて同意を得る努力をせず、またXの同意も得ていないこと。
2.配置転換、賃金引下げの明文上の規定はあるか。
 本事案では、就業規則には配置転換に係る記載があったものの、労働条件通知書には配置転換により賃金が低下することになる名文上の規定はなかった。


※この記事は弊社刊「都道府県労働局による 助言・指導 あっせん好事例集―職場のトラブルはどう解決されたのか」(平成24年3月30日発行)から一部抜粋したものです。

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