12年間の総括と今後を見据えて(使用者側の労働弁護士として)/弁護士 岡崎 教行

2016.03.25 【弁護士による労務エッセー】
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労働事件の特徴

 当職の場合、入所してから現在まで、業務の割合としては、労働関係の案件が9割程度、その他が1割程度ですので、これまでの12年半でそれなりの量の経験を積ませてもらっていますが、当職が肌で感じている労働事件の特徴について述べたいと思います。

① 労働事件は資料が多い

 労働事件の場合、会社から提供される資料が膨大になります。これは、後ほど記載する、起案量が多くなるということと関係しますが、資料の厚さが30cmを超えるなんていうのは当たり前です。それらを精査し、事実関係の裏付けとなる証拠を探し出していきます。資料の読み込みなどは、日中、打ち合わせなり、電話対応なり、メール対応等で埋まってしまいますので、必然的に夜もしくは休日に行うということになります。

② 起案量が多い

 労働事件の場合、解雇事件や雇止めの事件が代表的ですが、これらについては、いわゆる解雇権濫用法理が適用(類推適用)されます。そのため、一般民事事件とは違い、要件事実というよりは、規範的要件の主張立証が必要となります。簡単にいえば、全事情を総合考慮して、解雇が適法か否かを判断するということになります。

 一般民事事件の場合は、要件事実を主張立証すれば良いのですが、そうではなく全事情を主張立証しなければならないため、準備書面の量は必然的に多くなります。また、例えば、パフォーマンスが悪いことを理由として解雇をする場合には、前提として、当該労働者の業務は何なのかを詳細に書かないと、裁判官に何が悪いのかを伝えることができないため、業務の内容を詳しく書かねばならず、それもあって、起案量はどんどん増えていきます。例えば、解雇や雇止めに関する労働審判事件などでは、準備書面20頁程度(1頁あたり37文字×26行)は当たり前で、長いものだと50頁近くになります。

 また、証人尋問の前に提出する陳述書は、準備書面の内容をより詳細に敷衍するものですので、これも極めて量が多くなります。

 そして、証人尋問を経た後の最終準備書面となると、100頁を超える書面は当たり前で、事件によっては200頁、300頁もあり、当職が経験した中での最長は952頁でした。

 よく寺前弁護士からは、書面は読み手である裁判官の頭の中にす~っと流れるように入っていくものでないといけないと指導を受けます。裁判官が読んでいて意味が分からないときは、人間の修正として、読み飛ばされるのがオチだと、だから、分かりやすい書面を書かないといけないと口を酸っぱく言っています。当職も良く言われるのは、説明を端折りすぎていて不親切な書面になっているということですが、その後に、寺前弁護士が修正してくれる文書は極めて丁寧で分かりやすく書かれていて、なるほどなぁといつも思っています(寺前弁護士の文章は、読み手が惹き込まれるような、まるで小説のような文章です)。

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