【人材ビジネス交差点】日本にも必要なPEO/㈱エヌエフエー 代表取締役 大崎 玄長

2022.02.20 【人材ビジネス交差点】
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㈱エヌエフエー 代表取締役 大崎 玄長 氏

 PEO(Professional Employer Organization=プロの雇用組織)という言葉をご存じだろうか?

 アメリカをはじめ、終身雇用がなく「ジョブ型雇用」といわれる世界で普及している新しい雇用の形である。

 2018年9月、私は実際にPEOをこの目で確かめてみるため、アメリカに降り立った。弊社の取組みがPEOに近いといわれていたこと、また「終身雇用や解雇規制が、日本企業の成長阻害の一因」などといわれているなか、PEOに自社と日本社会の未来のヒントがあるような気がしたからである。

 雇用慣習は国により大きく違う。ときどき「正社員」と訳されたりもするアメリカの「レギュラーワーカー」は、時給制、週払い制であり、雇用期間はat will(アットウィル・いつでも解雇可能)である。

 つまり、アメリカに「正社員」はいない。いわば全員「非正規雇用」な社会だ。PEOはそうした社会で誕生し拡大した雇用代行会社である。いつクビにされるか分からない社会は、日本人、アメリカ人を問わず不安な気持ちになるようである。

 働く人はPEOに雇用されて、就業する職場に「派遣」される。就業する職場がアットウィルしても、PEOでの雇用は継続する。アットウィルされた人はPEOから次の仕事を紹介されて派遣されるか、PEOで職業訓練を受ける。

 私がみたPEOは、広大な敷地の中、緑の芝生の上にたくさんの教室が並ぶ4階建ての学び舎を持つ、一見、大学のような雰囲気だが、1万人以上を継続雇用している巨大な派遣会社でもあった。ただ、それでもアメリカのPEO業界の中では中規模、地方の雄、という位置付けである。

 働く人だけでなく、企業にとってもPEOは有効である。会社の成長には、業務に習熟している人材も必要になるが、そうした人材は、ある一定期間、継続就業(継続雇用)していないと育成が困難な場合も多い。

 しかし実際の業務の量には繁忙閑散の波もあるため、仕事がない期間に継続して雇用する余力がない場合も多い。

 PEOはそれを代行してくれる。各社に代わって職業訓練もしてくれる。中小企業の場合は従業員の福利厚生サービスに十分な資源を割けない場合も多いが、PEOは大人数雇用というスケールメリットを生かし、各社に代わって充実した福利厚生サービスを用意してくれる。

 企業にも働く人にも有効な新しい雇用の形、これからの日本企業に必要なものとして、弊社では引き続き、PEO機能の拡充を進めていきたい。

筆者:㈱エヌエフエー 代表取締役 大崎 玄長

【公式webサイトはこちら】
https://www.nfa-g.com

令和4年2月21日第3341号10面 掲載

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