【道しるべ】安全教育 欠かせぬ“作業者目線への配慮”

2011.10.15 【ひのみやぐら】
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 人にものを教えて知識と意識を高める、それを動作・行動で示させる、実行を確かめた後は当たり前のこととして続けられているかを視る、気持ちや動きにゆるみがうかがえれば注意を促す――。安全教育は一度きりではこと足りず、エンドレスな面を持つから難しい。ときには子供を躾(しつけ)るような辛抱強い対応が求められたりもする。

 ために“人を動かし、動かし続ける”教育では様ざまな工夫がなされ、現実に即した手法が種々考案されてきた。効果のほどは衆目の認めるところで、実際、災害減少に寄与してきたといえる。

 その諸教育(あるいは活動)の実践内容を再見してみると、「作業者目線への配慮」を基本としていることが分かる。それまでの、あるべき論ばかりの詰め込み教育が一方通行でしか終わらないことを、担当者は苦い経験則として学んだのだろう。「教えられる側にとってみれば“要点だけを簡潔に”こそがベターなのだ」と確信する向きが少なくない。

 そうした“原則”を踏んだ施策が最近あった。1つは厚生労働省による「第三次産業に対する4S重点指導」、もうひとつは建設業労働災害防止協会による東日本大震災復旧工事に係る「新規参入者用安全作業テキスト作成」である。

 どちらも災害多発が懸念される職場・現場を睨んでのものだが、対象とする業種や人に安全への意識の低さと知識・経験不足が明らかと見てか、そこでは取り組みやすい初歩的活動の励行と基本ルールの順守が強調されている。いずれも平易な説明と表現によってである。

 例えば建災防のテキストだが、作業の流れ、労災防止上の注意点と実践事項などに関する内容は分かりやすくポイントが掴みやすい。これなら他作業所でも十分に使えるのでは、とも思う。

 冒頭に述べたように、安全教育は行動に現れてこそ意味を持つ。であれば、それを容易にするシンプルさも忘れるわけにいかない。

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平成23年10月15日第2148号 掲載

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