労働者3人が「じん肺」に罹患 1人は死亡 シリカパウダー製造会社を送検

2017.03.06 【送検記事】

異常な速度で症状進む

 岐阜・多治見労働基準監督署は、じん肺健康診断を実施せず、半年に1度行うことが義務付けられている作業環境測定も法定頻度で行わなかったとして、シリカパウダー製造業の山森土本鉱業所(岐阜県土岐市)と同社代表取締役をじん肺法第7条(就業時健康診断)、労働安全衛生法第65条(作業環境測定)違反などの疑いで岐阜地検多治見支部に書類送検した。

 同労基署は平成2712月、同社でシリカパウダーを取り扱う粉じん作業に従事していた労働者がじん肺による呼吸不全などで死亡したとの情報を契機に調査を開始した。28年9月には強制捜査を実施している。

 同労基署は、「26年7月以降、シリカパウダーの製造量が急増したことがじん肺を発症した原因の1つとみられる」とした。通常、最も症状の酷い「管理4」に達するには数十年かかるとするが、死亡した労働者はごく1年強のごく短期間で「管理4」になっていたという。同僚2人も、短期間でじん肺を発症している。

 同社はじん肺健診を怠っていた理由について、「一般の健康診断で十分だと思っていた」と供述している。作業環境測定に関しても「費用がかかるため、1~2年に1度でいいだろうと判断した」と話している。

 同労基署は自体を重く見て対応に乗り出す構え。29年2月にシリカパウダーを取り扱う事業場を把握するための通信調査を実施し始めた。粉塵の危険性に対する認識が薄い事業場が少なくないとみたためだ。管内の事業場が、どういった種類の粉塵を使用しているかを把握したい考え。

 4月以降に同種の災害の再発防止に向けた集団指導を開催する意向も示している。不参加事業場に関しては、臨検監督を実施する予定とした。

【平成29年2月16日送検】

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