労働新聞 9月15日 第2697号
ニュース
嘱託の均衡処遇で新助成金――厚労省
厚生労働省は平成21年度、嘱託社員などフルタイム有期契約労働者の処遇や教育訓練を正社員に近付けた中小企業に新たな助成金を支給することを決めた。フルタイム有期契約労働者を正社員と同一の資格体系に位置付けたうえ、資格給、職務給などの賃金項目のうち1つでも同等に支給した場合に50万円、節目ごとの教育訓練を正社員と同等に受けさせて適用者が3割以上に達した場合に35万円を支給する。今年7月に作成した有期契約労働者の雇用管理改善ガイドラインの普及と均衡処遇を後押しする狙い。
外国人研修制適正化へ組合指導――中企庁21年度予算
中小企業庁は平成21年度予算概算要求で、前年度を17.3%上回る1,530億円を計上した。原油・原材料高騰への対応を緊急課題に掲げ、金融対策と下請取引の適正化対策に355億円を要求、下請法順守のための書面調査・立入検査などを強化する。人材確保対策として新たに始める「外国人研修・技能実習制度適正化指導事業」には1.3億円を計上、研修生を受け入れている組合に専門家を派遣し、不正行為の未然防止に向けた指導を行う。
コンビニへ集団指導――品川労基署
東京・品川労働基準監督署(児玉裕署長)は、非正規労働者対策の一環として管内のコンビニエンスストアに対する集団指導を実施した。昨年度の監督結果に基づいたもので、労働時間や割増賃金など9割の事業場で何らかの違反がみつかっている。労働条件明示と労働時間管理に重点を置くとともに、労働者・経営者双方から相談が多い有期労働契約の適切な雇止めについても指導した。
労組
賃金改善分獲得は598組合――自動車総連が08春闘総括
自動車総連(西原浩一郎会長)が「1000円以上」という具体的数字を6年ぶりに掲げた08春闘の結果が明らかになった。部品メーカーや販売を含めた総連全体のおよそ86%に相当する948組合が賃金カーブ維持分を確保あるいは賃金改善分を獲得しており、目標に据えた底上げ、下支えに向け一定の成果を得たと総括、改善分の獲得は598組合に達した。時短の取組みも前進しており、22単組が所定労働時間を短縮している。9月4日の定期大会で報告した。
賃金
業務プロセス別に行動評価――ディップ㈱
ディップ㈱(東京都港区、冨田英揮社長)は今年3月、若手の早期戦力化、ミドル層の育成・強化をめざす新人事制度を導入した。一般職と管理職で異なる評価体系を整備しており、ともに目標管理制度に基づく業績評価を重視しながら、一般職には職種別のスキル・行動評価を採り入れた。各職種の基本業務を5つのプロセスに区分し、それぞれに等級別のレベルを設定したもので、評価に当たっては各プロセスがどの等級のレベルに相当するかを判定していく。業務姿勢を問うスタンス評価、業績評価と組み合わせ、基本給の昇給に反映している。
追跡レポ
周知・表彰・評価で定着――東京ガスのナレッジマネジメント
東京ガス㈱(東京都港区、鳥原光憲社長、従業員7,714人)のエネルギー生産本部が展開するナレッジマネジメント(KM=知財管理)が評判だ。これまで培われた仕事の知識・ノウハウのデータベース化を進め、誰でもいつでも利用できる体制を整えた。徹底した周知活動、データベースを使い新たなナレッジを登録した優秀者の表彰制度、ナレッジ活用を業務目標として申告し達成度を評価、成果給に反映する仕組みを整えるなどにより定着が図られた。
人事学望見
吹き荒れる最低賃金法
今年7月1日に施行された改正最賃法は、決定要素として①全国あまねく最低保障賃金の基準とする②地域の企業の支払い能力③健康で文化的な最低限度の生活を保障するという観点から生活保護費との整合性を求めるの3点。中央最賃審も昨年の全国平均14円を上回る15円という大幅アップの公益委員による目安額を提示したが、それを受けた地方最賃審では生活保護費との整合性について審議が集中した。ワーキングプア問題から派生したものだが、神奈川は前年比30円増、東京は同27円増という答申を行い、時給額766にも上昇した。経済活動が活発なところでは、パート賃金に波及する懸念は小さいが、高校生のバイト賃金を上回る恐れは高く、軒並み法違反となり50万円の罰金徴収が現実化した。
実務相談
パート就業規則の作成必要か
以前、パート社員から「私たちには、なぜ退職金が出ないんですか」と突き上げられた経緯もあり、パート就業規則の整備が課題と認識していました。しかし、改正パート労働法で、雇入れ時に昇給・賞与・退職金の有無を文書明示するよう義務付けられたので、雇入通知書に「退職金なし」と記載すればトラブルを防止できると考えてよいのでしょうか。


