労働新聞 8月10日 第2740号
ニュース
在留資格に「技能実習」――通常国会・改正入管法成立
法務省が通常国会に提出していた改正出入管国及び難民認定法がこのほど成立し、在留資格の中に「技能実習」を新設した。現行の外国人研修・技能実習制度が、1年目に労働法令を適用しない「研修」を設定しているのに対し、改正入管法では当初から一貫して労働法令を適用する「技能実習」(最長3年)に変更している。不正な研修・技能実習活動のあっせんなどを行った者に対する退去強制の適用や、受入れ団体の指導・監督・支援体制の強化も図る。施行は、平成22年7月の見通し。
有料職業紹介会社に団交命令――大阪府労委
職業紹介会社にバスガイドとして求職者登録をしていた労働組合員が、同社に労働条件に関する団交を求めた事案で、大阪府労働委員会(高階叙男会長)は、雇用関係にないことを理由に応じなかった有料職業紹介業(株)フジ企画を不当労働行為と認定した。バス会社に紹介された求職者の給与がフジ企画を経由して支払われる際、「管理費」などの名目で金銭控除を行っているため、実質的に賃金を決定できる立場にあったと指摘。労働組合法上の使用者に当たると判断し、団交に応じるよう命令している。
二重派遣で事業停止命令――福島労働局
福島労働局(絹谷国雄局長)は、自社に受け入れた派遣労働者を別会社に派遣する〝二重派遣〟を行った電子部品製造業のアルファ電子㈱に対し、労働者派遣法に基づく1カ月の事業停止および事業改善を命令した。派遣会社から請負を偽装して受け入れた派遣労働者を、同県内8つのメーカーに自社の派遣労働者として送り出していたため、労働者供給事業に当たるとした。
労組
事業譲渡時に労働契約を承継――連合が法案要綱(案)
連合は、事業組織の再編における労働者保護に関する法律案要綱(案)をまとめた。会社分割時が対象の労働契約承継法が想定していない「事業譲渡」「業務委託」時の労働者保護が目的で、前者を「事業の移転」、後者を「業務の移転」と定義し、移転時などの労働契約承継を規定した。後者の場合、業務委託が理由の解雇を禁じたほか、委託元事業主による委託先の変更で雇用機会を失う労働者が委託先で発生した場合、労働契約の承継を条件に新たな委託契約の締結義務を委託元事業主に課すなどしている。
賃金
東京の男性・所定内40.5万円に――厚生労働省・都道府県別賃金
厚生労働省の都道府県別賃金調査(平成20年賃金構造基本統計調査の細部集計)によると、男性・一般労働者の所定内給与額は、東京40.5万円、大阪36.3万円、愛知33.8万円だった。前年調査に比べて大阪が0.7%増加したものの、東京は2.5%減、愛知は2.9%減と大きく低下し、ともに約1万円のマイナスとなっている。一方、女性・短時間労働者の1時間当たり賃金は、東京1,107円、大阪1,006円、愛知1,003円だった。6割強の地域で前年比プラスとなっており、47都道府県中の7都府県で1,000円を超えている。
追跡レポ
磨け社員の“基本行動”力――リコーテクノシステムズ
リコーテクノシステムズ(株)(東京都台東区、川村收社長、社員数9,100人)では、挨拶や言葉遣いなど「基本行動」力の向上に徹底して取り組むことで、他社との差別化を図り、顧客満足度の向上につなげている。新人から上位職まで徹底した研修を実施するとともに、自主チェック用に100ページ近いテキストブックを作成し全社員に配布している。5Sに「しつこく」「信じて」などを加えた「10S」基準に基づき継続的な展開を図っている。
人事学望見
トイレにまつわる臭いお話
事務所衛生規則と労働安全衛生規則にまったく同じ内容の規定がある。便所といささかドロ臭いタイトルだが、労働者へ健康的で安全な職場を提供する上では、ある意味最も大切な労働条件ともいえる。衛生的な配慮は当然のことだが、男性に比べ女性の場合は余計神経質になってしまう。公共施設でも隣り合わせて設置されているのは、先進国では、日本だけという説があるほどで、まだまだ無神経な使用者は多い。法律では、唯一、男女兼用としてはならないというのが、目立つ。ところが労働者を1人以上使用すれば適用される労働基準法や労働安全衛生法を厳格に適用すると、商店などの小規模・零細事業場では、男女別の設置はなかなかやっかいだ。東京では、男女別設置の是正勧告を無視したため、書類送検にまで及んだケースがあった。参考としたい。
実務相談
産前休業前は解雇制限なし?
不自然な経費請求が、うわさとなっている女性社員がいます。社内で調査結果を受け、近く懲罰委員会を開催しようと考えています。本人は、妊娠中で近く出産の予定です。産前休暇に入る前に解雇しても、問題ないでしょうか。


