労働新聞 9月7日 第2743号
ニュース
非正規への適用を再度拡大へ――雇用保険見直しで
厚生労働省は、雇用保険制度の見直しへ向けた検討に着手した。非正規労働者へのさらなる適用拡大やマルチジョブホルダー(複数事業所就労者)の取扱い、65歳以上労働者への適用などが主な検討課題となっている。今年の通常国会までに実施した制度改正で積み残しとなっていた部分である。総選挙後の政権との協議、連携が前提となっているため、結果的にどのような見直しとなるか今のところ不透明だ。
中小向け安全管理ガイドを作成――全ト協
(社)全日本トラック協会(中西英一郎会長)は、中小トラック運送事業者の安全衛生水準の向上をめざし、「安全マネジメントガイドブック」を作成した。労働安全衛生マネジメントシステムと、輸送の安全確保を目的とした運輸安全マネジメントを同時に実践できるよう、両マネジメントを1つにまとめ、安全衛生計画の作成やリスクアセスメントの実施など一連の手順、内容を分かりやすく示した。ヒヤリハット調査票、リスクアセス実施記録など、作成すべき書類と記入例も盛り込んでいる。
リスクアセス4割で怠る――川崎北労基署
神奈川・川崎北労働基準監督署(亀田知恵子署長)は、大中規模製造業の安全衛生活動に対する指導を強化している。自主点検により日頃の活動のチェックを要請するとともに、安全担当者などを呼び出して集団指導を行った。自主点検結果では、4割でリスクアセスメントを怠っていたほか、6割が作業間の連絡調整を現場任せにするなど安全衛生活動が低調だった。
労組
民間企業活用し360人の再就職支援――丸井今井労組
経営破たんした北海道の老舗百貨店・丸井今井の労働組合(波岸孝典中央執行委員長)は、事業引継ぎ会社に営業譲渡が完了した8月1日以降、再就職を希望するおよそ360人への支援を本格化させた。直前の臨時大会で決めた道内最大手の再就職支援企業・キャリアバンクのプログラムに基づくスキームが稼働したもので、来年3月までをめどに設置した労組の支援本部と連携する。引継ぎ会社への再雇用の道を断って本部業務を担う波岸委員長は「1人でも多くの再就職につなげたい」と語った。
賃金
介護職員の月給19.6万円に――平成20年度介護労働実態調査
(財)介護労働安定センターの「平成20年度介護労働実態調査」によると、月給制労働者の職種別所定内賃金は、介護職員19.6万円、訪問介護員19.1万円、看護職員25.7万円、介護支援専門員26.1万円だった。月給者全体の平均賃金を年齢階層別にみると、20~24歳17.8万円に対してピークの55~59歳は23.3万円、1.31倍となっている。一方、時間給者の1時間当たり賃金は、介護職員893円、訪問介護員1,230円、うち登録ヘルパー1,248円だった。
追跡レポ
“リアル訓練”でやる気を喚起――三越日本橋本店
(株)三越日本橋本店(東京都中央区、卜部栄明常務執行役員本店長)では、消火器を実際に使った訓練、スプリンクラーの散水実験など“リアル訓練・体験”を通じて、従業員の防災意識と対応力の向上に成果を挙げている。年2回実施する消防署との合同訓練は、近隣企業などにも公開し、訓練終了後の質疑応答などを通じて第三者評価による新たな気付きを得て次のメニュー作りに生かす。朝礼時に、緊急地震速報のチャイムを起点に開始する防災訓練も毎月1回実施する徹底ぶり。同店の意欲的な取組みを追った。
人事学望見
年次有給休暇と退職者の請求権
年休は、労働者が時季を指定することによって、自動的に効力を持ち、使用者は、許可、承認、使用内容などに介入できない。わずかに事業の正常な運営を来す恐れがある場合にのみ「時期変更権」が認められているものの、単に仕事が忙しいから、といった理由では行使できない。年休で使用者が悩むのは、自己都合退職を前にして残余の年休すべてを請求された場合である。6年6カ月から毎年2日の年休が発生し、完全週給2日制の定着、夏休み、年末年始休暇など長期休暇も普及しているため、年休請求を遠慮するムキは最後にまとめてとってしまうわけである。専門家によると、時季変更権行使は、退職予定日以降は発動できないため、結局、労働者のいいなりとなる。辞めていく者に大量の年休を付与することに多くの使用者は抵抗感を持っているが、退職予定者が年休すべてを請求した場合でも権利の濫用とまではいえない、というのが学説でもある。
実務相談
時間年休付与の協定締結か
当社では半日単位年休制を導入する際、労働協約で要件等を明確化しました。労基法の改正により、平成22年4月1日からは時間単位年休制度の導入が可能となります。労使協定の締結が条件ですが、当社の場合、既存の労働協約を改定すれば足りるのでしょうか。


