労働新聞 8月30日 第2790号
ニュース
有期労働契約法制見直し先送り――厚労省
有期労働契約法制見直しに向けた改正法案の通常国会上程が先送りされる見通しだ。厚生労働省が設置している有期労働契約研究会(座長・鎌田耕一東洋大学教授)では、有期労働契約の締結事由規制や更新回数にかかわるルール設定などを提言しているが、いずれも労使双方に大きな影響を与える重大な法改正となるため、審議会において少なくとも1年程度の検討期間が必要との見方が強まった。
企業半数がメンヘル対策の効果実感――生産性本部調査
日本生産性本部メンタル・ヘルス研究所(小田晋所長)がまとめた「メンタルヘルスの取組みに関する企業アンケート調査報告書」で、上場企業の半数が自社の施策の効果を実感していることが分かった。過去3年における「心の病」が増加傾向にあると回答した企業割合が大きく低下し、02年の調査開始以来最も低い45%にとどまった。精神医学関連専門の産業医がいる企業が4割近くに上ったほか、社内相談室など社員向け相談制度を設けている企業も7割に上昇するなど、支援体制の整備が進んでいる。
理容・美容業 労働時間に研修含めず――向島労基署
東京・向島労働基準監督署(児玉裕署長)は、今年度から理容・美容業と不動産業に対する重点的な監督指導を展開している。とくに理容・美容業では未だ徒弟制度の名残りが強く、指示などを伴った就業後の研修を労働時間として取り扱わない事業主が多い。不動産業では、営業手当を残業代として支払った際のトラブルがめだっている。立入調査と「集合監督」を併用する意向である。
労組
「最賃に10%上乗せ」協定廃止へ――情報労連
情報労連(加藤友康中央執行委員長)は、法定地域別最低賃金に10%上乗せして加盟組合の各社と協定を結んできた同産別独自の「労連最賃」を見直す。法定地域別最賃の急増傾向を背景に、同最賃と連動した上乗せ協定の締結に難色を示す大手の子会社や地方の中小企業が増加傾向にあるためだ。地域間格差が広がるのを防ぐ観点で「金額」上積み方式に改めることをすでに労使で確認しており、全国一律基準の水準設定をめぐって現在交渉中。労連最賃の適用者(社)数拡大をめざす。
賃金
都内事業所の平均時給1,140円――東京都・パート実態調査
都内事業所におけるパートの平均時給額は1,140円に――。東京都の「パートタイマーに関する実態調査」で明らかになったもので、4年前の前回調査に比べて32円ダウンした。昨年、パートに対して昇給を実施した割合は45.0%に及んでおり、実施事業所の6割強が昇給の基準として勤務評定等を用いている。賞与を支給している事業所は44.6%あり、全体の29.7%が原則として全員に支給。20年度の平均年間支給額は11万円で、20万円以上と回答した事業所も2割弱みられた。
追跡レポ
キャリア重視女性への両立支援を拡充――NEC
日本電気(株)(=NEC、東京都港区、遠藤信博社長、従業員・単独2万4,871人、連結14万2,358人)では、育児短時間勤務など家庭生活の充実に配慮した両立支援制度を拡充する一方で、キャリアを重視し育児期間中でも通常勤務で働きたいワーキングママのために「周囲(地域・行政・家族)のサポートを引き出す施策」を展開している。育児を手伝ってもらうために親の近くへ引っ越す費用を補助するのが「チャイルドケア支援制度」。地域の子育て助け合い制度である「ファミリーサポートセンター」のサービス利用への会社補助を行う一方で、OG・OBにセンターでのボランティアへの参加も推奨している。
人事学望見
定年後再雇用と年次有給休暇
改正高年齢者法によると、65歳までの継続雇用は今年4月1日から最終段階の64歳が義務年齢となった。来年4月1日を期して目標の65歳となるわけだ。継続雇用とは、文字どおり同一企業に在籍したまま、身分変更されるもの。この際、依然として年休について誤解が多い。保有年休は現役当時から継続され、新たに6カ月経過後に10日が発生するというものではない。時効の2年間も有効だから、全員が最大40日間の年休を持っているケースが多い。もちろん、労働者の時季指定によって権利が発生し、使用者は以前と同じく、使用目的も問えないし、許可、承認する資格もない。ただ、新たな雇用契約に切り替わるため、年休の賃金は現役当時のものではなく、新賃金による。
実務相談
変形制の勤務割崩せないか
変形労働時間制の勤務割をいったん定めたら、変形期間開始後、勤務割を崩せないといいます。たとえば、8時間勤務の日と10時間勤務の日を任意に入れ替えることはできません。一方、休日の振替は問題ないと聞きました。勤務日の入替と休日の振替とどこが違うのでしょうか。


