労働新聞 7月12日 第2784号
ニュース
職群ごとに対処法検討――厚労省・メンヘル対策
厚生労働省は、職場において強い不安やストレスを感じる労働者が6割を超える状況にあるため、労働者向けメンタルヘルス対策の強化に乗り出した。メンヘル不調が発生しやすい職群ごとに具体的なストレス対処手法の検討に着手したほか、キーマンとなる管理監督者に対する教育訓練を全国の企業2000社に実施する予定である。企業への個別アドバイスやメンヘルポータルサイトの機能充実にも力を入れる。
労災隠し防止などの中小企業対策を要望――大商
建設業での労災かくしを防止するため、下請から労災保険料徴収を――大阪商工会議所(佐藤茂雄会頭)は、中小企業対策に関する要望をまとめ、菅首相のほか関係閣僚に建議した。建設現場の下請事業者で労働災害が発生した場合、労災保険料を納付している元請との関係悪化を恐れて労災申請をためらうケースがあることから、下請が保険料を直接納付できる要件を緩和するよう求めている。業種を問わず、正規雇用者の比率が高い企業の税額控除を行う「正規雇用促進税制」の創設も盛り込んだ。
卸売・小売業 「集合監督」を事前予告――亀戸労基署
東京・亀戸労働基準監督署(村上良悦署長)は、卸売・小売業などの小規模事業場を対象に独自の監督指導を展開している。今年度から開始した複数の事業場を呼び出して帳簿類を調べる「集合監督」に事前説明会を加えたもので、自主点検の実施と集合監督への移行を予告する。集合監督までの猶予期間に自主的な改善が可能となり、監督指導の実効性がより高まるとみている。
労組
「流通・サービス懇話会」設置へ――JSDとUIZ
JSD(八野正一会長)とUIゼンセン同盟(UIZ・落合清四会長)流通部会は、流通小売業関係10の経営者団体とともに「流通・サービス産業懇話会」(仮称)を設置する方向で協議を始めた。産業全体の中で「流通・小売業」の果たす役割などを労使で議論する場とする考えで、環境問題や税制・社会保障問題、企業の社会的責任などが現時点における議論の候補。6月の実務者会合で懇話会設置の方向性を確認済みで、経営側への呼びかけを行っている最中だ。事務局を担うのは日本生産性本部・社会労働部。
賃金
私的病院・医師の年収1,089万円――病院給与実態調査
全国病院経営管理学会の「2010年版病院給与・勤務条件実態調査」によると、私的病院における平成20年度の職種別平均年間給与は医師1,089万円、看護師451万円、事務員は男子474万円、女子334万円などとなった。平成21年の平均賃上げ額は4,956円となり、前年の7,000円台から急落。率でも2.4%から1.58%へ落ち込んだ。
追跡レポ
心・体鍛えパフォーマンス向上へ――ディスコ
半導体製造装置大手の(株)ディスコ((東京都大田区、関家一馬社長、従業員1,661人)では今年度から、社員の心と体を元気にする3カ年計画「フロー・カンパニー・プロジェクト」を開始した。周りに左右されず集中力が高まった心の状態(フロー状態)が高いレベルでの能力発揮を導くというフロー理論を理解する研修が中心の「心系」、すべての基本となる健康の確保に向け社内ジムのメニュー充実などで運動機会を提供する「体系」の2つのプログラムを両軸に展開し、全従業員のパフォーマンス向上につなげる。
人事学望見
制約多い給料控除に注意
日雇派遣業者が勝手に給与から、準備金名目で一定額を控除し、摘発されたことがあった。賃金日ついては労働基準法第24条によって、支払いの5原則が定められており、これに違反することは許されないからだ。しかしながら、労働組合費のチェックオフ、所得税の源泉徴収、社会・労働保険料などの控除については、労働者個々人が納付するより、賃金控除の方が助かる。それ以外の賃金控除については、労使による協定がないと、5原則のうち全額払い違反を構成する。現在は少なくなったが、社内預金と称して毎月一定額を強制的に積み立てさせ、それを運転資金に流用するという悪質なケースもあった。なお、使用者が労働者に貸し付けた金員について、賃金と相殺して返却させる場合には、4分の1のみという制限が民法によって定められている。
実務相談
年休の端数時間は時効消滅か
時間単位年休制の運用で、疑問が生じました。時間単位で年休を使ったので、1年目に1日未満の端数が生じたとします(たとえば、5時間)。2年目には端数が残らないように年休を請求しないと、端数は時効消滅してしまうのでしょうか。


