労働新聞 7月19日 第2785号
ニュース
訪問介護へ労務管理マニュアル――厚労省
厚生労働省は、就労環境の改善が遅れている訪問介護労働向けの労務管理マニュアルを今年度中に作成する方針である。訪問介護労働においては、移動時間が労働時間として算定されないケースがあるなど、労働条件の基本的枠組みが確立されておらず、離職率を押し上げる要因となっている。開発する労務管理マニュアルやこれまでに作成した労働条件チェックリストなどを活用したセミナーも全国で開催する意向である。
派遣スタッフのメンヘル対策に手引――派遣協会
建設業での労災かくしを防止するため、下請から労災保険料徴収を――大阪商工会議所(佐藤茂雄会頭)は、中小企業対策に関する要望をまとめ、菅首相のほか関係閣僚に建議した。建設現場の下請事業者で労働災害が発生した場合、労災保険料を納付している元請との関係悪化を恐れて労災申請をためらうケースがあることから、下請が保険料を直接納付できる要件を緩和するよう求めている。業種を問わず、正規雇用者の比率が高い企業の税額控除を行う「正規雇用促進税制」の創設も盛り込んだ。
実習生の〝過労死〟で送検――鹿嶋労基署
東京・亀戸労働基準監督署(村上良悦署長)は、卸売・小売業などの小規模事業場を対象に独自の監督指導を展開している。今年度から開始した複数の事業場を呼び出して帳簿類を調べる「集合監督」に事前説明会を加えたもので、自主点検の実施と集合監督への移行を予告する。集合監督までの猶予期間に自主的な改善が可能となり、監督指導の実効性がより高まるとみている。
労組
中堅以下へ自己改革促す――電機連合・中期運動方針
電機連合(中村正武中央執行委員長)は7月8・9の両日、名古屋市で開催した第58回定期大会で、今後10年間を展望した中期運動方針を決定した。産別の運動方針を中堅以下の労組に徹底する活動が柱の一つで、「中堅・中小労働組合協議会」を来年9月に発足させる方針。海外との競争激化や減少傾向の組織事情などを背景に産別運動にも変化が必要と判断したためで、多くが産別に単独加盟する中堅・中小労組の自己改革を促す。積極的な運動への参画意識を導きながら政策決定過程にも反映したい考え。
賃金
4段階絶対評価で育成図る――日本郵船(株)
日本郵船(株)(東京都千代田区、工藤泰三社長)は、4段階の絶対評価を行う育成重視の人事制度を導入している。基本姿勢・行動特性・業務成果の3要素を二十数項目の着眼点で採点し、総合点で評価ランクを決定する仕組み。絶対評価の結果を直接被考課者へフィードバックすることで、自分の強みや改善すべきポイントを自覚してもらう。昇給にも絶対評価の結果を反映するが、等級別に昇給可能な期間を限り、一定期間を超えると昇給幅が縮小し、さらに一定期間を経ると昇給がストップする方式を採用。一方で昇級審査の対象とする基準については、明確に提示している。
追跡レポ
技能・生産性を均等評価――ハッピーの人材活用策
従来のクリーニングと一線を画した「ケア・メンテ・サービス」を提供する(株)ハッピー(京都府宇治市、橋本英夫社長、従業員25人)の処遇制度が評判だ。ITシステムの導入ですべての管理を一元化。作業の進捗状況を“見える化”し、生産性を向上するとともに、作業内容をデータ化することで社員の能力を客観的に評価できるようにして、技能研修の受講等により作業能力が向上すれば、雇用形態にかかわりなく技能等級に応じて昇給する仕組み。処遇の公平性を重視しているため、パート社員で入社した者が役員になることもあるという同社の取組みを紹介する。
人事学望見
不採算部署の廃止と賃下げ
厚生労働省の調査によると、昨年賃金改定期に「賃下げ」した企業が3分の1近くに達している。昨年春は前年秋のリーマン・ショックによる世界的な金融不安によって、輸出関連企業の大不振が尾を引いた結果とみられる。今年はGDPなど各種統計では、好転がみられているが、中小企業にはまだ波及途上といったところ。新興工業国の追い上げによって、国内ケイレツ企業群も苦戦している。収益に結びつかない不採算部門は次々に閉鎖されているが、この際困るのは新規の作業に適応できない高齢者。異動先がないため、指名解雇に近い退職勧奨も行われている。ただ、判例では、解雇権濫用法理によって「解雇回避努力」に匹敵する適応職場の新規設立などを要件とするものもある。
実務相談
週20時間以上でも適用除外か
短期雇用特例被保険者について質問があります。雇用期間4カ月以内、週30字間未満の者は対象外になりますが、雇用期間が4カ月を超えていても、30時間未満なら被保険者にならないのでしょうか。「週20時間以上で雇用見込みが31日以上なら被保険者になる」という規定とどういう関係になるのか分かりません。


