労働新聞 6月15日 第2733号
ニュース
就職・定着で1人70万円――厚労省・就職支援基金
今国会で成立した平成21年度補正予算で、総額7,000億円を投入し、「緊急人材育成・就職支援基金」を設立した。今後3年間にわたり、雇用保険を受給していない離職者などを対象とする職業訓練、職業紹介助成を抜本的に拡充する。離職者などを実習型や職場体験型雇用で受入れた事業主に1人当たり月10万円、正規雇用に結びつけた場合さらに1当たり100万円支給する。長期失業者に再就職支援を実施した民間職業紹介業者には、就職の成否にかかわらず同20万円、早期に就職させ定着させたときは、同50万円の委託費を支払う。
派遣・請負業の違反率5割切る――東京労働局
東京労働局(東明洋局長)は、平成20年度に派遣元・先と業務請負事業者・発注者に実施した個別指導監督結果をまとめた。労働者派遣法などの違反率は、同労働局に需給調整事業部が置かれた平成16年度以降で初めて5割を下回った。就業条件の明示違反などがみつかった820事業所に是正指導を行っている。業務請負関係の違反率も4割弱に低下しており、「自主的な改善が進んだ」とみている。
出退勤時間を事前記載――愛知経協・報告書
愛知県経営者協会(岡部弘会長)は、弾力的労働時間制の検証と見直しに向けた「多様で効率的な働き方を可能とする労働時間制度の活用について」と題する報告書を作成した。フレックスタイム制の導入効果がないと回答した企業が少なくなかったことから、出退勤時間の事前記載で規律の緩みを防ぎ、一部で時短につながった企業事例を紹介。事業場ごとに組合と協議を重ね、運用実態を検証・改善することを勧めている。
労組
セブン-イレブン・FC店オーナー労組が発足へ
コンビニ最大手・セブン―イレブン・ジャパン本部とフランチャイズ(FC)契約を結ぶ全国の加盟店オーナーらで作る労働組合が今秋をめどに発足する。6月2日、関係者ら約70人が東京都内で方針を固めた。形式的にはあくまで独立事業主だが、本部の意向が経営に強く反映され実態的には労働者に該当するとして、団体交渉を通じた地位向上をめざす。同本部による優越的立場を利用した「見切り販売規制」などの販売制限に公正取引委員会も指導に乗り出す構えで、「この機を逃すまい」と立ち上がった。
賃金
一般事務員19万円に――中途採用者の就職賃金
東京労働局の「中途採用者の採用時賃金、求人賃金等(平成20年調査)」によると、主な職種の就職賃金(中位数)は一般事務員19万100円、会社・団体の管理職員33万5,000円、販売店員19万円、販売外交員23万1,300円、情報処理技術者23万円だった。一方、求人票記載の職種別賃金では、一般事務員21万5,000円、管理職員24万1,900円、販売店員21万4,900円、販売外交員25万6,500円、情報処理技術者30万5,000円などとなっている。
追跡レポ
有事の迅速対応へ統一指針――東京計器
東京計器(株)(東京都大田区南蒲田、脇憲一社長、従業員1,233人)は4月、大地震発生など有事の際に迅速に行動するための新たな対応策をまとめた。「危機管理マニュアル規定」「リスクマネジメント規定」を再整備し、統一的な指針を示して社員の意思統一を図っている。CSRの一環として地域の競技審査会に参加してきた自衛消防隊の別動チームでは、6年前に結成した女性チームが活躍し、防災担当者の意識昂揚につながっている。同社の取組みを追った。
人事学望見
労基署から立入検査の通知
労働者による労働基準監督署への申告件数は急増しており、年間で4万件にも上る。賃金不払い残業・名ばかり管理職・解雇等々、申告ネタは金融不安に伴う景気悪化で増え続けている。労働基準監督官は全国で約3,000人しか配置されていないため、これだけの大仕事に終われっぱなしだ。一方、監督官が司法警察権を持つことを知らず、是正勧告や出頭要請を無視する不逞の使用者も多い。基準行政が労働条件向上を目的に是正措置で対応し、警察と同じ権限を持ちながら、直ちに司法処分に処するケースはまれであること、解雇や損害賠償などの民事には不介入であることなどで、なめてかかっている節がある。しかし、命令や勧告を無視すると書類送検に移ることが一般的で、世間に公表され、大恥をかくことになるので、監督署からの要請には真摯な対応が望まれる。
実務相談
別居回避の退職は給付優遇か
夫が遠隔地で再就職するため、別居するか、退職して家族そろって転居するか、選択を余儀なくされている女性従業員がいます。仮に退職を選択した場合、雇用保険の基本手当を受給する際、優遇措置が適用されるのでしょうか。今年4月の雇用保険法改正が、何か影響を及ぼしますか。


