労働新聞 6月14日 第2780号
ニュース
有期労働の約6割が年収200万円以下――厚労省調べ
厚生労働省がまとめた平成21年有期労働契約に関する実態調査によると、パートタイマーや契約社員、期間工などの労働者の年間収入は約6割が200万円以下の低水準に留まっていることが分かった。300万円以下で区切ると8割強に上る。1カ所の勤務先からの収入に頼っている割合が高い契約社員や期間工でも4~5割割程度が200万円以下だった。賃金水準に対する不満も高まっているのが実態である。
退職者組合との団交命令取消す――中労委
中央労働委員会(菅野和夫会長)は、大手建材メーカー・ニチアス㈱の退職者が加入する労働組合が同社にアスベスト被害の補償などに関する団体交渉を求めた事案で、同社に団交応諾を命じた初審命令を取り消し、救済申立てを棄却した。退職後25~50年と長期間が経過しているほか、独自の補償による救済措置を講じていることなどから、団交拒否に「正当な理由がないとはいえない」と判断している。
第3次産業 小規模事業場を重点監督――池袋労基署
東京・池袋労働基準監督署(手塚隆久署長)は今年度、監督歴のない第3次産業の小規模事業場を中心に監督指導する方針を明らかにした。従来、申告・情報提供以外で立入調査する機会が少なかったことなどが背景にある。事業場には直接訪問せず20~30事業場を労基署に呼び出して集団指導した後、帳簿・書類をチェックする手法で進める。労働者10人以上の卸売業と駅周辺の大型商業施設を含む小売業などに対する集団指導も行う。
労組
休息期間の厳格化へ「改善基準告示」法制化を――連合が7月から本格検討
連合は7月から、トラックやバス、ハイヤー・タクシーなどの自動車運転者に対する休息期間の厳格化に向けた具体的作業に着手する。法的拘束力のない「改善基準告示」の法制化をはじめ、道交法や旅行業法など関連事業法を含めた幅広い見直しに向け検討する。すでに内部に設置済みの専門検討会が今後の議論のベースとなる報告書を取りまとめており、24時間当たり最低11時間の休息期間を与えるとするEUの労働時間指令で定める「勤務間インターバル規制」を参考にする考え方が示された。
賃金
東京の男性・所定内40.3万円に――厚労省・都道府県別賃金
厚生労働省の都道府県別賃金調査(平成21年賃金構造基本統計調査の一部)によると、男性・一般労働者の所定内給与額は東京40.3万円、大阪35.2万円、愛知33.5万円などとなった。東京(0.5%減)と愛知(0.7%減)が微減にとどまったのに対し、大阪は2.9%減と大きく落ち込んだ。47都道府県のうちの39地域、約83%で前年比減少した。
追跡レポ
メンタリングで2つのプログラム推進――住友スリーエム
住友スリーエム(株)(東京都世田谷区、ジェシー・ジー・シン社長、従業員1,917人)では、直接業務と関わりのない先輩(メンター)が、後輩(メンティ)の成長に向けた助言を与える「メンタリングプログラム」が軌道に乗っている。新人全員にメンターを付ける「プログラムA」と、メンティ希望者がファイル一覧からメンターを指名し合意に至ればメンタリングに進めるメンティ主導型の「プログラムB」の2本立て。業務の垣根を越えて何でも相談し合える企業文化の定着につなげる。
人事学望見
賞与支給在籍要件は定着
企業の利益分配の主流が賃金から賞与へと移行しつつある。職業生活を通じて積み上げられ、最終的には退職金へも波及する基本給より、毎年の業績に連動して、洗い替えができる賞与の方がコスト負担の安全弁というわけだ。その賞与については、支給日に在籍しない限り、たとえ、計算期間を満足していても支払う必要がない、という支給日在籍要件が最高裁判決(大和銀行事件)によって確立している。しかし、これにも例外があり、支給日直前に定年など会社都合で退職し、籍を失った者には配慮するのが社会通念となっているようだ。また、使用者側の都合による解雇の場合にもこの原則を適用すると、使用者自らの意思で一方的に賞与支給を免れることになり、合理性が疑問視されている。
実務相談
月またぐ週の時間外計算は?
月またぐ週の時間外計算は?
本欄(2010年5月3日付本紙16面)で、「変形労働時間制の時間外計算では、暦週処理が原則」という記事をみました。当社では1カ月単位変形労働時間制を採っていますが、月の初日が日曜日でない場合、どのように時間外を把握するのが正しいのでしょうか。


