労働新聞 7月7日 第2687号
ニュース
厚労省と労使が一斉に反発――職業紹介の地方委譲
内閣総理大臣の要請を受けてまとまった地方分権改革推進委員会の第一次勧告に、厚生労働省と労使双方の反発が強まっている。現在、国が直接運営している無料職業紹介事業や、雇用・能力開発機構が実施している離職者訓練事業の委託訓練を、都道府県へ委譲すべきであるとする同勧告に異義を唱えた。厚労省は「ハローワークの全国的ネットワークが阻害される」「雇用セーフティーネットの確立は国の責務」などと批判。労使の協力を得て同勧告の再検討を働き掛けていく。
委託運転者も労働者――労働保険審査会
労働保険審査会(畠中信夫会長)は、委託契約のトラック運転者は労働基準法上の「労働者」とはいえないとして労災不支給を決定した栃木・宇都宮労働基準監督署長による原処分を取り消した。配送先や配送品目、配送時間などに関する発注会社からの指揮監督が、同社正規社員(運転者)と「同等のもの」だったと指摘。報酬も一定時間労務に提供した対価である性格が強いとして、「労働者」に該当すると逆転判断している。
CO中毒 3法人3人を一挙送検――北九州西労基署
福岡・北九州西労働基準監督署(福田滋署長)は、一酸化炭素(CO)中毒で3人の作業員が死亡した災害を重くみて、元請および一次・二次下請の法人と現場責任者の合わせて3法人3人を福岡地方検察庁小倉支部に一挙に書類送検した。労働安全衛生法第88条(計画の届出等)違反などの疑い。通気設備を怠った状態で内燃機関を使用したことが直接の原因とみられる。
労組
年間所定休日104日など産別指針5項目――JSD第8回定期大会
百貨店やチェーンストアなどの労組で構成する日本サービス・流通労働組合連合(JSD・桜田高明会長)は、産別指針の年間所定休日104日以上や年休取得平均5日以上など、5つの最低到達目標を実現するための基準を強化し、全加盟組合が原則単年度の決着をめざす「必須取組み項目」に置き換えた。2011年度までに会社との協定化に持ち込む構え。先ごろ都内で開催した第8回定期大会で決定したもので、パート・社員間の均等・均衡待遇と合わせ、09年から着手する。
賃金
非管理職の賞与78万円台に――日本経団連・07年賞与調査
日本経団連の「2007年夏季・冬季賞与一時金調査」によると、非管理職に対する平均賞与支給額は夏季78万9,535円、冬季78万3,656円だった。対前年同期上昇率は1.7%、0.9%増となり、ここ数年4~5%程度で推移してきた伸び率が鈍化している。夏季賞与における考課査定分の割合は、非管理職が前年に続いて3割台となり、管理職は4年連続で5割を超えた。原資の決定に業績連動方式を用いる企業は全体の40.4%に及び、そのうちの8割強が経常利益や営業利益等の指標を基準にしている。
追跡レポ
遊び感覚でモノづくりの原理原則学ぶ――ジヤトコの技能塾
変速機・自動車部品の開発・製造・販売を行うジヤトコ(株)(静岡県富士市、石田繁夫社長、社員7,655人)では、遊び心満載の技能講座が若者に好評だ。「技能塾」のプログラムの一環で、“モノづくり”の原理原則を楽しみながら理解できるよう、空き缶を使ったモーターづくりなどの実技を通して基本を教える。入社3年目までの初級講座に続き、中級講座もスタート。講座終了時に試験を実施し、合格を昇格要件に加える構想もある。
人事学望見
解雇権濫用法理の求めるもの
改労働契約法第16条は、労働基準法第18条の2で定められていた解雇権濫用の無効をそっくり移したもの。労基法では第20条によって、解雇予告をするか解雇予告手当を支払えば解雇できるとされているが、それは同法上の規定であって、その手続きを履行しても労働者がすんなり同意するとは限らない。そこで、法廷での争いとなるが、解雇が合理的客観的理由を欠き、社会通念上相当と認められないときは無効、というのが最高裁判例で確定している。その判例を条文化したのが労契法第16条というわけで、就業規則に相当する非違行為があっても、解雇とは過酷に過ぎないかなどを考慮すべきとしている。労契法に違反しても監督指導や罰金を科せられることはないが、争いの行方は予見できるため、無駄な法廷費用をかけることが避けられる。とくに解雇権濫用法理は典型的だ。
実務相談
出勤率8割を時間で算定?
パート社員に対しては、1日6時間勤務の日と8時間勤務の日を組み合わせて、勤務割を決定しています。欠勤のペナルティーを公平化するという観点から、年休付与の出勤率を計算する際、年間の所定労働時間数を基準にできないでしょうか。年間1,500時間勤務のパートについては、1,200時間以上出勤なら、年休を付与します。


