労働新聞 7月6日 第2735号
ニュース
派遣先過失割合基準を作成へ――労災法改正に連動
厚生労働省は、派遣労働者の労働災害を発生させた派遣先事業場に対する求償権行使を円滑に実行するため、過失割合の判断基準作成に着手した。労働安全衛生法違反などに基づく損害賠償請求事案にかかわる過去の判例を収集して分析・検討を行い、求償時に参考とすべきガイドラインとする考えだ。厚労省では現在、派遣先への求償徹底を狙いとする労働者災害補償保険法の改正案を国会に提出中である。
適正取引へ監視態勢強化を――東商が中小施策要望
東京商工会議所(岡村正会頭)は、「中小企業施策に関する重点要望」をとりまとめ、中小企業庁をはじめ関係機関に提出した。厳しい経済情勢を反映して、需要の創出と経営基盤の安定化に向けた施策を柱としている。下請取引において下請代金の支払遅延などが深刻さを増しているため、相談態勢のさらなる整備と取締りの強化を要請。下請代金検査官の大幅な増員が必要とした。新型インフルエンザの感染拡大などに備え、BCP(事業継続計画)策定への支援も盛り込んだ。
早期抜てきで〝経験の場〟を――愛知経協
愛知県経営者協会(岡部弘会長)は、ミドルマネジメント層の育成に関する報告書をまとめた。プレーイングマネージャー化の進展による業務の複雑化や部下の育成・指導経験の不足などの問題点を踏まえ、ミドル層に対する継続的な社内研修の必要性、早期の抜てきによる〝経験の場〟作りなどを提言している。ミドル層の4人に1人がキャリア形成を不十分だと感じていることがアンケートの調査結果から浮き彫りとなった。
労組
労働者代表法の制定を――連合・今年度重点政策
連合は、2010年度重点政策の中に「労働者代表法」(仮称)の制定を盛り込んだ。例えば36協定のように、使用者と労働者代表との協定締結なが必要なものについて、事業場の過半数で構成する労働組合がない場合に「労働者代表委員会」を設置、その自主的・民主的運営を法的に確保するのが狙い。あくまで労働法規が労働者代表等との協定締結や意見聴取を定めているものについてのみ任務・権限を与え、過半数労組があればそれを労働者代表委員会とみなすとしている。
賃金
サービス提供責任者に職務基準書――(株)やさしい手
訪問介護事業を展開する(株)やさしい手(東京都目黒区、代表取締役香取眞恵子会長)は、事業の中核を担うサービス提供責任者の職務役割基準書を整備し、人事制度全般の改定を進めている。複数の事業所を統括するエリアマネジャー、サービス提供責任者リーダー、サービス提供責任者の3つの職位ごとに、8分野14項目の職務について具体的な業務内容を詳細に整理したもの。各職位を細分化した職務グレード体系を構築し、給与体系の改定作業を進めている。レンジ内を9等分する職務役割給を導入し、一般社員層には洗替え方式、管理職層にはメリット昇給制を採用するとしている。
追跡レポ
3つの「考える力」鍛える――ナブテスコ・品質大学
ナブテスコ(株)(東京都港区、松本和幸社長、従業員・単体2,176人、連結3,884人)が2007年にスタートさせた「品質大学」が評判だ。中堅の設計技術者に設計から品質を作りこむ品質工学理論を教える。3つの考える力(経験知力・原理原則力・シミュレーション力)を引き上げ、高い品質スキルを持ったリーダー人財を育成するのが目的。1年間学んだ卒業生は、それぞれの部門で品質管理・改善に取組み成果を上げている。同社の取組みを追った。
人事学望見
懲戒解雇には慎重な対応を
制裁規定のなかで一番過酷なのが懲戒解雇だ。一般には会社の信用を著しく毀損し、名誉の失墜に当たる非違行為を対象としている。懲戒解雇は懲戒処分たる性格と解雇たる性格の双方を有し、両者に関する法規制をともに受ける。懲戒解雇の場合、ほとんどが退職金の全額不払いとしており、普通解雇に比べ労働者の不利益は圧倒的に大きい。使用者は、就業規則の列挙規定に基づいて処分をなしたと主張するケースが多いが、実際は、列挙(正当性があるか否かは別にして)規定ではなく「その他上記規定に相当する非違行為をなしたとき」というような拡張適用に走りやすい。判例では、刑事事件の容疑者でも、起訴猶予になるような微罪については、懲戒解雇を認めないケースが多々みられる。長年の功績とのかねあい、退職金が賃金後払い的性格を持つことも考慮したい。
実務相談
代替休暇で割増率引下げ?
労基法が改正され、月60時間を超える時間外労働が発生した場合、5割の割増賃金支払が義務付けられます。労使協定を結び、代替休暇を与えれば、割増賃金率を引下げることができると聞きました。労使協定では、具体的にどのような内容を定めればよいのでしょうか。


