労働新聞 5月17日 第2776号
ニュース
離職多い企業の指導強化――高齢者雇用で厚労省方針
厚生労働省は平成22年度において、高年齢者継続雇用制度の対象者基準などに関する事業所指導を強化する方針である。実態調査により、定年到達者予定者に占める同基準非該当者が多い事業所を抽出した上で規定の内容を確認し、これに応じて望ましいものとなるよう指導するとしている。雇用確保措置年齢が63歳の事業所に対しては、5月末を目標とし64歳へ引き上げを優先的に指導する考えだ。
競争力向上へ多様な人材確保を――10年版中小白書
中小企業庁は、2010年版中小企業白書を作成した。少子高齢化時代に中小企業が競争力を高めていくには、女性や高齢者などの多様な人材の確保を積極化すべきと提言し、ワーク・ライフ・バランス施策と人材育成・評価制度の充実が人材定着のカギになると指摘している。子育て期の男性社員に週1日の午後4時退社を義務付けているケースや、技能者育成を管理職への昇格要件としている製造業を好事例として取り上げた。
メンヘル対策 301人以上に自主点検実施――大阪労働局22年度方針
大阪労働局(石井淳子局長)は平成22年度の行政運営方針を明らかにした。過重労働による脳・心臓疾患や精神障害事案が多発傾向にあるのを受けて、301人以上規模の企業を対象にメンタルヘルス対策への取組みを促す自主点検を要請する方針である。精神障害を発生させた事業場に対する個別指導も強化する。脳・心臓疾患に関連が強いとされる有所見率の改善においては、有所見者がめだつ企業へ個別指導を行う考えだ。
労組
処遇改善へ“共同宣言”――連合と技能協
連合は4月26日、生産現場の派遣・請負企業で構成する日本生産技能労務協会(清水唯雄会長)と共同宣言を発表した。派遣・請負労働者の処遇改善や同事業の健全運営に向け、両組織の今後の取組み内容を書面上で確認したもの。今春闘から開始した点検活動をさらに充実させる考えの連合は、受入れ企業の労働組合の立場で会社に法令順守を求める活動が中心になる。両組織に共通する「悪質業者排除」の考えを軸とした双方の活動事項に調印した。
賃金
フィードバック徹底し育成図る――東京ダイヤモンド工具製作所
(株)東京ダイヤモンド工具製作所(東京都目黒区、濱田喬社長)は、一般社員層に対し、業務目標とともに能力開発目標を立ててもらう独自の制度を用い、技能の向上・若手への伝承に取り組んでいる。OJTによる人材育成を重視するなか、一次評価者によるフィードバックを「育成のポイントを確認する場」として位置付け、人事考課・賞与査定とともに「評価した点」「改善すべき点」「今後期待すること」の3点を伝えていく。職務基準と安定的な報酬体系を組み合わせることで、成果だけでなく能力や行動も評価する育成型人事制度を運用している。
追跡レポ
支社対抗で減量ゲーム――綜合警備保障の生活習慣病対策
綜合警備保障(株)ALSOK=東京都港区、村井 温社長、社員数・1万2,600人)では、社員が支社対抗で体重と腹囲の減少を競う「ハッスル☆減量ゲーム」を実施した。一定以上の年齢・腹囲の社員に、食生活・運動習慣を見直すキッカケを与え、生活習慣病の改善・予防につなげる狙い。2カ月の実施期間中、毎週1回、携帯メールから体重・腹囲を報告してもらい、週末に経過を返信する流れを繰り返す継続しやすい仕組みに。報告するたびにポイントが貯まり商品と交換できるなどインセンティブも用意した。
人事学望見
26業務と複合業務の関係について
労働者派遣業務には期間制限のないものがある。その典型的なのがいわゆる労働者派遣法の政令第4条で定められた26業務(専門的業務)だが、これには縛りがあり、付随的業務が1日または1週間の所定労働時間のうち「1割」を超えると最長3年の期間制限のある自由化業務」とみなされてしまう。ただ、専門業務に付随する業務は、1割に含まれず、周辺業務は「付随的業務」とされ、1割の中でカウントしなければならない。文言からみると同じように見えるが、事務用機器の操作(5号業務)を例にとると、ごみ捨て1つをとっても派遣スタッフ専用のごみの処分は付随業務だが、社員と共用しているごみかごのごみを派遣スタッフのみに処理させたりした場合は付随的業務と判断される、など非常に区別が難しいものもある。職場では、スタッフだけ特別な存在であるという認識は薄く、事実上、1割基準は無法状態となっている。
実務相談
派遣契約ごとに資格得喪失か
雇用保険法が改正され、加入要件が「31日以上雇用見込み」に緩和されました。従来、派遣労働者に関しては、就労期間が「飛び飛び」でも、全体として6カ月以上雇用見込みであれば、資格を取得・継続させる扱いとなっていました。今後は、短期の雇用契約(31日以上)ごとに、資格を取得させるのでしょうか。


