労働新聞 5月12日 第2680号
ニュース
労働契約適正化へアドバイザー――厚労省
厚生労働省は、労働契約法の施行に合わせて「中小企業労働契約支援事業」をスタートさせた。大企業と比較して労務管理の知識に乏しい中小企業事業主に焦点を絞って、望ましい労働契約の提示、定着に努め、個別労働関係紛争の未然防止と早期解決につなげる。全国規模の中小企業団体に事業委託し、アドバイザーの派遣、法令などの周知を目的としたDVD配布、契約書の作成指導などをテーマとしたセミナーを開く。
サービス業、長期的人材育成で生産性向上を――中小白書
中小企業庁は、2008年版中小企業白書を公表した。卸売業、小売業など中小サービス業の労働生産性が相対的に低い点を問題視し、生産性アップには労働者の能力・意欲を高める長期的な人材育成が欠かせないと強調している。積極的な教育訓練が行われておらず、自らの成長につながらないと判断して離職するケースも少なくないという。好事例として、労働者に定期的な業務改善提案を行わせている保育サービス業者を取り上げた。
特養ホーム 引継業務で割増不払い――新宿労基署
6割の事業場で報告書作成や引継ぎ業務を労働時間に含まないなどの割増賃金違反が発覚――東京・新宿労働基準監督署(恩田廣行署長)の特別養護老人ホームに対する監督結果で分かった。労働関係法令違反は全体の9割に上る。多くの事業場で衛生委員会が有効活用されていない現状を重くみて、審議事項に労働時間の短縮などを加えるほか、労使が出席して職員の不満などを吸い上げる場とするよう求めている。
労組
障害者 3年で法定雇用率達成へ――JSDが産別指針
百貨店やチェーンストアなどの労働組合で構成するJSD(日本サービス・流通労働組合連合・桜田高明会長)は、障害者雇用を推進するためのガイドラインを作成した。3年後に全加盟組合で法定雇用率達成という具体的目標を掲げており、実現に向け、国の助成制度の積極的な活用を促している。各店舗における障害者雇用の促進が企業の社会的責任だけではなく地域における信頼度向上につながり、経営にとってもメリットが大きいと意義を強調した。
賃金
「1職1級制」を実現――埼玉・宮代町
埼玉県・宮代町(榊原一雄町長、職員数223人)は、行政運営手法の見直しの一環として、独自の人事評価制度を導入している。組織のフラット化を進める一方で、職位と級がリンクする全5等級の体系を整備して“1職1級制”を実現。多岐にわたっていた管理職の職制を3階層に統一した。賃金カーブの歪みを抑制した新給料表を策定するとともに、コンピテンシー評価と目標管理制度を併用し、昇給と勤勉手当に反映している。導入から3年目を迎えた今年4月には、職員アンケートを踏まえた見直しを行い、よりシンプルな制度へ発展させている。
追跡レポ
アルバイト研修にeラーニング――サーティワンアイスクリーム
B-Rサーティワンアイスクリーム㈱(東京都品川区、尾崎仙次社長、従業員134人)は、店舗アルバイトの教育に、「eラーニング」を導入しサービスレベルの底上げと均質化に効果を上げている。アニメーションとビデオ映像を駆使し、ゲーム感覚で間違い探しに挑戦するなど、視覚重視の“参加型”で学習意欲を高めた。インターネット環境があれば、自宅のパソコンなどから、いつでも、何度でも1人で予・復習ができる。店長はより密度の濃いOJTに専念することが可能になり、従業員トレーニングの時間短縮にもつながった。
人事学望見
就業規則の周知と法的拘束力
就業規則は各職場に常時配置し、労働者がいつでもみられる状態にしなければならない、というのは労働基準法の解釈にある。労基法の行政解釈では3つの方法を示しているが、労働契約法では労基法の周知方法に限定せず、実質的に判断するとしている。就業規則に合理性があり、かつ周知されていれば法的効力がある、と明確に定めたのが労契法の特長である。周知方法が備わっていれば、労働者が実際に就業規則の存在や内容を知っているか否かにかかわらず、「使用者が周知した」ことに該当するとし、就業規則の存在とその効力が明文規定によって固まったのは、罰則がなく、監督指導も行われない労契法について、軽視する向きが多かったが、大いに評価されてよさそうだ。
実務相談
派遣開始日から料金発生?
製造業の派遣契約が一つ決まりましたが、特殊な機械の操作等があるため、派遣先から「雇入れ時教育は当方でやるから」と申し出がありました。後になって、教育に費やした時間分について、派遣料の支払いを拒否されたのですが、相手先に派遣社員を送り込んだ時点から料金が発生すると主張できないでしょうか。


