労働新聞 5月3日 第2775号
ニュース
事業主団体に最大500万円――厚労省・高齢者奨励金を改正
厚生労働省は、高年齢者関連の奨励金の内容を大幅に見直し、平成22年度から実施に移している。利用実績が低調だった中小企業高年齢者雇用確保実現奨励金を全面廃止する一方で、「70歳まで働ける企業」の普及に向けて事業主団体に最大500万円を支給する高年齢者雇用確保充実奨励金を新設した。中小企業定年引き上げ等奨励金は、希望者全員を対象とした65歳以上の継続雇用制度などを6カ月以上運用している事業主を新たに支給対象とした。
グローバル人材育成が急務――企業活力研究所が提言
海外で活躍できる人材の育成へグローバル人材マップ作成を――(財)企業活力研究所は、産業人材の育成施策のあり方に関する調査研究報告書をまとめた。企業の競争力強化にはグローバル人材の育成が急務であるとして、社員の海外派遣を積極的に展開して経験を積ませるほか、海外拠点を含めた人材マップの作成が欠かせないと指摘した。若年人材の育成やコミュニケーションの活性化による組織力向上も課題とした。
出向装い労働者を供給――大阪労働局が改善命令
大阪労働局(石井淳子局長)は、出向を装って労働者供給を行った派遣会社2社に対して労働者派遣法に基づく事業改善を命令した。同2社は、請負会社が在籍出向と称して派遣した労働者を受け入れた上で、同労働者をさらにプラント設計の専門会社に出向させ、原子力発電関連会社の指揮命令下で働かせた。出向契約を締結していたが実態は労働者供給事業だった。
労組
労組法立法趣旨が欠落 相次ぐ労委命令取消し判決に異議――専修大法科大学院・渡辺教授
労働委員会の救済命令を取り消す判決が昨年立て続けに出された件で、専修大学法科大学院の渡辺章教授は、「労働組合法の立法趣旨から労働者概念を導く考えが欠落している」などと批判的見解を述べた。連合などが4月14日に開催した集会の場での発言で、判決はいずれも直接の雇用関係にない労務の受け手側が同供給側の団交要求を拒否した事例。渡辺教授は、使用従属関係の判断を中心にしてきた学説側の責任もあるとし、今後は労使交渉の促進の観点から広く労働者性を解釈すべきと訴えている。
賃金
夏季・冬季とも66万円台に――日本経団連・09年賞与調査
日本経団連の「2009年夏季・冬季 賞与一時金調査」によると、非管理職に対する09年平均賞与・一時金支給額は夏季66万9,121円、冬季66万4,239円だった。前年同期に比べてそれぞれ14.6%減、12.6%減の大幅ダウンとなっている。一方、09年夏季賞与に占める考課査定分の割合は非管理職31.7%に対して管理職50.8%だった。考課査定幅に関しては、非管理職、管理職とも10%以上20未満とする企業が多くなっている。
追跡レポ
社員・家族の自主活動にエコポイント――前田建設工業
前田建設工業(株)(東京都千代田区、小原好一社長、従業員・単独2,739人、連結3,790人)では、グループ会社を含めた社員や家族が取り組む自主的な業務外の環境活動に会社がポイントを付与する独自のエコポイント制度「Me-pon」を開始した。対象となるアクションメニューは、省エネ家庭生活の紹介、エコ通勤、環境イベントへの参加など。獲得ポイントは、エコ商品、エコ休暇などに交換できる楽しみがある。環境経営を重視する会社方針の一環で、意識醸成とともに、実践も重視していく考えだ。
人事学望見
海外派遣における労災特別加入
労災保険には、特別加入制度があり「海外派遣者特別加入制度」もそのひとつ。対象者は①国際協力事業団等開発途上地域に対する技術協力の事業から派遣された者②日本国内で行われる事業から派遣されて海外支店、工場、提携先企業等で行われる事業の従事者。ただし、現地法人の社長として派遣された者は、その事業に使用される労働者とは認められないので対象にならない。加入申請は派遣元の所轄労働基準監督署を経由して都道府県労働局長に対して行う。とくに支障のない限り、申請書を受け付けた翌日付で承認される。労災保険の適用は、すでに海外で就労している者はその承認の日から適用され、承認後に行く者は、実際に海外に行くこととなる申請書の派遣予定期間の初日から適用される。
実務相談
月初日から労働時間累計か
平成22年4月1日施行の改正労基法について、質問があります。従業員から代替休暇取得の意向が示され、それに基づき月60時間を超える時間外労働に対しても、2割5分増しの割増率を適用して賃金計算を行ったとします。後から従業員が「やはり、代替休暇の取得は止めにしたい」といい出した場合、清算に応じる義務があるのでしょうか。


