労働新聞 4月5日 第2771号
ニュース
平均妥結額は4800円――中堅・中小の10春闘
今春闘において平均方式で妥結した中堅・中小企業91社の平均妥結額は4887円で、前年とほぼ同水準で推移していることが本紙の集計で分かった(3月26日現在)。前年と比較可能な79社に限ると、昨年同時期の4891円からわずか55円ダウンの4836円となった。先行した自動車や電機など金属大手のすべてが賃金構造維持分を確保できた影響が大きく、今後本格化する地方地場の結果にも期待がかかる。(6面に回答・妥結一覧)
道路貨物運送業の法違反が9割弱に――東京労働局
東京労働局(東明洋局長)は、平成21年に道路貨物運送業に実施した臨検監督結果をとりまとめ、労働基準法関係の違反率が過去10年で最も高い86・7%に上ったことを明らかにした。時間外・休日労働協定の範囲を超えて働かせるなど「法定労働時間」の違反率が約6割とめだった。トラック運転者の拘束時間などを定めた改善基準告示を順守していない事業場も半数近くに達している。高い違反率には、荷主による発注条件の引下げなどが影響しているとみて、近く、荷主関係団体に対し、労働環境に配慮した発注を要請する方針だ。
求人誌掲載内容 4割で違反の疑い――沖縄労働局
求人誌に掲載された求人内容の4割に労働基準法、最低賃金法違反の疑い――沖縄労働局(森川善樹局長)管内で労働条件明示に関するトラブルが相次いでいるため、主要求人誌に掲載された約1,000事業場の労働条件を精査した。所定労働時間が法定を超過しているケースが最も多い。発行元に対して違法求人の掲載拒否と改善に応じない企業の情報提供を求めている。
調査
2010年春期賃上げ回答・妥結速報(2)
産別・企業別「賃金改定・一時金妥結結果」一覧
賃金
面談シートでメンタル面充足へ――東京ガスの再雇用者対策
東京ガス(株)(東京都港区、鳥原光憲社長)は、今後の定年後再雇用者の大幅増に対応するため、2010年度から新たにコミュニケーションシートを活用する。年下である上司との意思疎通を深めてもらうために契約更新時の個別面談で用いるシートで、1年間の業務を振り返り、職場への要望や健康面、家庭事情などを申告してもらう。仕事のやりがいや職場で必要とされている実感など、金銭面よりもメンタル面の充足を求める再雇用者に配慮した取組みで、最終的には上司から今年度の期待・役割を伝えていく。今後5年間で約1,200人の再雇用者の発生が見込まれるなか、よりきめ細やかなマネジメントを確立するのが狙いだ。
追跡レポ
挑戦的風土作りへ流動化促進――協和エクシオ
(株)協和エクシオ(東京都渋谷区、石川國雄社長、従業員・連結7,334人、単独3,466人)では、2009年度より「社内公募制度」を導入した。定期異動では間に合わないビジネスチャンスへの迅速な対応につなげる。新たな能力発揮機会を提供することで社員のやる気向上も狙う。環境の変化に迅速に対応した人材リソースの適正配分を目的とした「人材活性化プロジェクト」の一環。異動のインセンティブとなるよう、転勤制度の見直しや、異動実績を昇格要件に加えるなどにより、流動化を促進し挑戦的な組織風土醸成をめざす。
人事学望見
短時間勤務制にも有給扱い
実話をもとに事例研究を行ってみた。女性優遇策を社是とするA社では、短時間勤務制を取得している育児中の社員について賃金の減額を一切行っていない。この度、育児時間についても、労働基準法の規定である「有給であると無給であるとを問わない」ことに注目し、無給から有給に切り替えた。所定労働時間が7時間30分だから、30分ずつ2回の育児時間が有給となったため、当該期間中の女性は6時間30分で満額の賃金がもらえることになった。これを所定6時間の短時間勤務制にも適用することを検討中だが、導入すると当該社員は5時間で満額がもらえることになり、あまりにも厚遇過ぎるとの声が上がっている。労基法の育児時間は「所定8時間労働」を基準に決められたと行政解釈でも明示しており、受益者平等に反するとする考えにも一理ありそう。
実務相談
1年変形で60時間の計算は?
当社では、1年単位変形労働時間制を採用しています。1月の時間外労働の累計が60時間を超える場合、5割の割増賃金の支払いが必要になります(中小企業除く)が、1年単位の場合、年間で締めないと時間外の総数が確定しません。割増賃金の支払いは、どのようにすればよいのでしょうか。


