労働新聞 3月17日 第2673号
ニュース
1人2200万円に――じん肺で和解基準
建設大手ゼネコンなど31社はこのほど、全国トンネルじん肺訴訟の「和解手続被告会社統一基準」を明らかにした。和解金額は、じん肺管理区分の管理2で合併症がない場合の1人900万円から管理4または死亡の最高2200万円までとしている。就労期間など個別原告ごとの条件によって減額修正方法も定めた。東京地裁において多数の和解協議を重ねた結果、約1500人の原告と被告会社の間に裁判上の和解が成立し、その経過などを集約したものである。
事業承継支援へ全国100拠点――中企庁
中小企業庁は平成20年度、事業承継の円滑化に向けた取組みを強化する。後継者不在により廃業に追い込まれる企業が少なくないことから、税制の抜本改革のほか、「事業承継支援センター」を全国100カ所に新設し総合的な支援を展開する。後継者を求める企業と開業を希望する人材を引き合わせる「マッチング交流会」を同センター内で開き、廃業回避、雇用維持・創出を後押しする意向。事業承継に不可欠な知識を習得させるセミナーも開催する。
新潟県 医療現場で偽装請負――労働局が指導
新潟県は、2カ所の県立病院で、新潟労働局から「偽装請負」を指摘され、是正指導を受けていたことを明らかにした。同県は看護助手や看護補助の業務を請負会社に委託していたが、一部の業務で病院職員が直接業務指示し、実態として派遣就労になっていた。請負会社の現場責任者の選任に加え、契約内容の変更を行うなどにより改善を図っている。
労組
割増共闘「継続協議」を要求――連合
連合が今春闘で立ち上げた「時間外割増共闘」は3月4日、春闘後の継続協議あるいは労使検討委員会の設置など、会社側からの回答引出し基準を確認した。15年ぶりとなる割増率の改善交渉だが、先行した大手労組に対する会社側の交渉態度は予想以上に厳しく、ゼロ回答回避へ向け何らかの確約を引き出そうと意思を固めたもの。要求目的である「長時間労働の是正」については労使で認識を共有しており、話し合いを続けることで打開策を導きたい考え。
賃金
5段階の本給ランク運用――セイコーインスツル㈱
セイコーインスツル㈱(千葉県千葉市、新保雅文社長)は、職務価値で等級格付けを決定し、能力発揮度によって本給を洗替えする人事制度を導入している。職群・職種ごとに数十種類の等級格付基準書を整備し、現場の実態を踏まえた等級体系を確立。給与面では、定期昇給や年功昇給の概念を一切排除し、等級ごとに5段階の絶対額を定める本給へ一本化した。年1回、専門性、顧客志向など5つの要素を評価し、変動させる。洗替え方式ながら、独特の運用手法を採用している。
追跡レポ
150字週報で意見吸い上げ――貝印
貝印(本社・東京都千代田区、295人、グループ従業員約900人)では、週1回、全社員が提案を行う「150字週報」を運営している。商品提案から報告、質問までをイントラネット上に書き込み、選ばれた提案には社長が担当部門に直接指示を出す。部門長には進捗状況や結果の報告を義務付け、問題の早期解決につなげる。行動規範をマーケティングに生かす研修の場「スコーレ(企業内大学)」により、社員の顧客意識も高まった。
人事学望見
配置転換命令の有効性を問う
人事権は経営の最も有力な専権事項だが、発令すればすべて効力を有するというわけではない。とくに労働者に対して生活上の不利益を与えやすい転勤や出向などはすんなりいかないケースが多い。会社は入社時に就業規則などに規定する従業員の義務を説明し、同意を得ておくことが必要。同意があれば余人をもっては容易に替え難いという高度の必要性に限定されず、企業の合理的運営に寄与する点が認められれば、トラブルが生じて裁判になっても勝てる。労働者が通常甘受すべき不利益を著しく超えると主張する共働き夫婦の一方の配転は通常生じる事態という判例は多く、老親、幼子の介護・養育についても面倒をみてくれる者が多にいれば人事権の濫用には当たらないとする判例も珍しくない。
実務相談
管理監督者は面接指導不要か
あるセミナーで、「平成20年4月以降は50人未満規模でも過重労働発生時の医師面接」が義務付けられると聞きました。当社営業所では、実態としてかなり在社時間の長い所長もいますが、管理・監督者として時間外数を把握していません。面接実施の対象から外すことが可能でしょうか。


